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転生者
「なっ…何だと…」
青年は自分自身に跳ね返って来た真空波を済んでのところで剣で跳ね飛ばした…
ドカァァァァァン…!!!!!
彼の後ろの壁のレンガがガラガラと崩れ落ちる…
「俺の真空刃を素手で…お前一体何者だ…⁉︎」
青年は純の右腕に青白く光る紋章が浮き出ているのに気づいた…
「その紋章は…RE:BORNの…
お前…まさか転生者か…?」
「転生者…⁉︎一体、何の事だよ…
とにかく彼女達に指一本触れるな!!!」
その時…グランアンジェ王宮の近衛兵が騒ぎを聞きつけてやって来た。
「こら!!!お前達…王宮内で何をしている…」
青年は腰の鞘に剣を納めると…
「邪魔が入ったな…いずれ決着をつけに来るから待っていろ。」
そう言って彼は守護神のカプセルを取り出したかと思うと、マントを翻して姿を消してしまった…
「アイツ…ウチと契約してるくせに他の守護神のカプセル使いやがって…
浮気者!!!契約は破棄やわ…」
女の子は「ベー」と舌をだした。
そして彼女は僕の方に向き直って…
「兄ちゃん…ホンマにありがとう…助かったわ…
あっ!!!凄い怪我やん⁉︎…ちょっと待ってな…」
彼女はポケットからハンカチを出すと端を咥えて
ピリピリと裂いた…
そしてケガをしている僕の腕に包帯のように巻いてくれた。
「これで良し!!!」
「ありがとう…」
僕がお礼を言うと彼女は少し頰をあからめながら…
「そ、そんな風に男の人にお礼を言われるなんて初めてやわ…アンタ…本当にいい人やね…」
「純でいいよ…」
「純か…優しそうな名前!!!ウチ…アンタの事…気に入ったわ!!!」
「えっ…」
駆けつけてきたグランアンジェの近衛兵は
「城内で争い事を起こしていたのはお前らか…?
全く!!!…派手に壁まで壊したな。
女王様がお呼びである。二人共…謁見の間まで来い。」
「ヤバいな…退散しようにも…」
女の子は逃げようとしたのだが、近衛兵がぐるりと周りを取り囲んでいて…仕方なくしぶしぶ女王様に会うことになった。
僕達は女王様の謁見の間に連れて行かれた。
謁見の間のヴェールが揺れて中から女王様が姿を現した。僕達は膝まづいて頭を下げた。
「一同…面を上げよ…
お前達が城内で争い事を起こしたと聞いたのだが…一体どういう事か訳を聞かせてはくれまいか…⁉︎」
グランアンジェの女王様は若くて美人で…品格があり、高貴な女性国王だった。
しかもこうして僕たちの前に姿を見せて話を聞いてくれるのだからきっと良い女王に違いない…
僕は事の一部始終を女王様に話した。
「なるほど…いきなり向こうがそなた達を襲ってきたという訳か…
相手の男に見覚えはあるのか…?」
「さあ…?僕達はここへ来るまでの道中で姿を見かけただけで何者かまでは…⁉︎」
「ジークや…」
「えっ…?」
僕の横で守護神の女の子が答える。
「アイツの名前はジークや…身分はエルドラ王国の王子…」
「ほう!!!エルドラの…
ヤツはそなたの連れじゃったのか…⁉︎
守護神よ、そなたは何者じゃ…?」
女の子は僕の顔をチラッと見ながら…
「ウチ、テラって言います。よろしゅう…」
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