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月と星空のプロポーズ
昼間と夜とでは森の表情も雰囲気も全然違う。
木々の隙間から覗いた月が僕とリーエルを照らし出す…
リーエルが月を見上げる…綺麗な顔立ちのリーエルが月明かりに照らされて…何故だか僕は彼女が寂しそうに見えた…
僕達は森の中の大きな切り株に腰を下ろしてまたゆっくり月を見上げる…
「リーエル…よ…良ければもっとこっちに来ない…?」
「は…ははは…はい…!!!」
リーエルは顔を真っ赤にしている。
緊張している彼女の心臓の音がバクバクと聴こえて来そうだ。
「そ…そうだ、純…喉乾かない…?
あたし、何か飲み物持って来ようか…?」
僕は首を横に振った…
「ううん。何も要らない。リーエルに側にいて欲しい…」
「わ…分かった…!!!」
リーエルは恥ずかしそうにしながらも僕にピッタリと寄り添ってくれた。
「リーエルはぶっきらぼうに話すけど…
誰よりも心の優しい娘だよね。
いつも僕に気を遣って黙って色々してくれる可愛い娘…
リーエルには…もう少し僕に甘えて欲しいって思ってる…だって僕、リーエルのことがすごい好きなんだ…
リーエルは…⁉︎」
「あ、あたしも…」
「昼間は…僕もリーエルも本当の気持ちを話せないような気がして…でもここなら…僕と君しかいない月明かりの森の中なら…二人きりなら…恥ずかしいけど君に言えると思う。」
僕の心臓はドキドキして今にも破裂しそうだ…でも言わないと…
「リーエル…僕はこの月のように静かに僕を見守っていてくれる君が大好きだ…だから僕と…」
「待って…純。あたし…今まで遠慮してた。純の言いたい事、やりたい事を邪魔しちゃいけないって…
だから…きっと前世でも…あなたが大好きなヴェラと一緒にいると…幸せそうなあなた達を見るだけで私も幸せだった。
でも…そんな事してたら本当に大事な物を失っちゃうかもしれないよ。
だから一度だけワガママを言わせて下さい。
断られても構わないんだ…!!!
純…私と結婚して欲しい…ずっと純と一緒にいたい…」
リーエルは泣きながら僕に言ってくれた。
人見知りで引っ込み事案な彼女がどれだけ勇気を振り絞った事だろうか…⁉︎
僕も涙が溢れた来た。
僕はポケットから〝Jun & Leael〟と刻印された指輪を出してリーエルの指にはめた…
リーエルはビックリして「えっ…これは…」と驚く…
「嫌だなあ、リーエル。今、僕にプロポーズしてくれたじゃない…!!!ちゃんと証人もいるよ。」
僕は空から優しく僕達を照らしてくれる綺麗な月を指差した。
「…僕はリーエルと結婚します。絶対幸せにしてみせます。
よろしくね、リーエル。」
「…純…」
リーエルが僕の胸に飛び込んで来た。
僕は指で彼女の涙を拭った…
これから…もし、お互いに言いにくいことがあったら…お月様の前で言おうと僕達は永遠の誓いを立てた。
…僕の夢が叶った。
僕は世界一の幸せ者だ…!!!
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