五人の花嫁(前編)

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五人の花嫁(前編)

他の三国とアースガルズの人達で協力してソリューの王宮にも負けない立派なアースガルズ王宮が出来上がった… やっぱりマンパワーというのは凄いと実感した。 我々が目指す理想郷〝ミズガルズ〟が出来ればもっと色々な事が可能になるだろう…!!! この王宮はこれからの新しい世界を象徴しているといっても過言ではない… その王宮の巨大な晩餐室で… いよいよ…本日…僕達の結婚式が行われるのだ…!!! 「ヒィィィィ…忙しい…!!!」 将門に国王の地位を奪われた元ソリュー国王がアタフタしている…あなた神父さんになってたんだね… 「今日はよろしくお願いします…!!!」 「あっ…国王様、この度はおめでとうございます… 私が神父になってから一日に五組の結婚式なんて初めてで… まあ…新郎はお一人だから… 国王様の方が私より大変ですよね… それにしても五人も奥様を…ウヒヒ…さすが色男ですな… …では…後程…!!!」 「あっ…いたいた…おーい…純さん…!!! 最初は私達の番ですね!もうそろそろ用意しないと…」 「アリス姉さん…次はウチの番やから式が終わったらドレス貸してな…!!!」 「もちろん…私が終わったら後、四組の式に出席しないとね…うふふ。」 「わーい…みんなで結婚式だぁー!!!」 「ホント…こんな楽しい結婚式って他にないですわよね…!!!」 「あ、あたし… 家族がこんなに増えてすっごい嬉しい…!!!」 会場にはグランアンジェ女王もクーファ先生も来てくださっている…後はジーク国王か… あっ!来た来た!クローネさんと一緒に… 「おーい…ジーク…うぉっ…!!! ちょっと待って…クローネさん、お腹大きくない…⁉︎」 「いやぁ…!!!実はもうすぐ王子か姫が産まれてくるんだよ…今から楽しみでな…!!!」 「そうか…本当におめでとう…!!!」 「何言ってんだよ…それじゃ逆じゃないか…!!! 今日はお前の結婚式だろ… 五人も奥さん貰っちゃって…この… 幸せになれよな…!!! そして…この後、ハネムーンだろ…⁉︎ 男としてキメろよ…!!!」 「あ、ああ…ゴクリ!…」 「それでは新婦の登場です…!!!」 扉が開き…純白のドレスと花飾りのティアラに身を包んだ… 妖精と見紛(まご)う程のアリスがゆっくりと歩みを進める… ああ…バージンロードを歩く彼女…とても綺麗だ… 美しい花嫁は純の元へと到着し…お互いに誓いを立てて… 口づけを交わす… そして…花嫁は花婿にカプセルを授け… 花婿は(ひざまづ)いて…それを受け取る… 代わりに花婿は永遠の愛を誓った指輪を… 花嫁の薬指へと贈る… 純と五人の花嫁は正式な守護神と人間との結婚式を行うのだった… 純はあの…アリスのガラス細工のカプセルを手にすると… アリスの指には…とても高価なグラン・プラチナの指輪がキラリと輝いていた。 「うわっ…ありゃグラン・プラチナだろ…絶対高けぇぞ… アイツ…相当頑張ったな… それにしても…女王…純に沢山給料払ってたんだな…」 「まぁ…今でも我が国の名誉騎士でもあり…わらわの秘書だったからのう…」 「…アイツの世界ではな、結婚指輪は給料の三ヵ月分という常識があるらしいわ…」 「なんと…!!!それはまことか…⁉︎」 「ああ…それの五人分は確かにキツいわな…」 「それで…純は仕事を紹介しろと言ってきたのか… 愛した女達全てを大事に…優しい男じゃの…」 「ああ…確かにアイツには五人の花嫁が似合ってるわ…!!! それに見てみなよ…あの五人の花嫁の嬉しそうな顔… この分だと孫の顔もすぐ見れそうだな…!!!…ふふふ…」 「クーファ殿、楽しそうじゃな…だが、わらわもミカとリーエルの生みの親、それにアリスも娘みたいもんだからのう…孫はわらわのほうが先かものう…ふふふ…」 「あっ…ズルいぜ…!!! リンだけじゃ無くて…他の嫁さんの子供も孫だろ…義理の孫。俺の孫でもあるからな…!!!」 「ほう…義理の孫という言葉をわらわは初めて聞いたぞよ…⁉︎」 あれ…女王様とクーファ先生…何揉めてるんだろう…⁉︎
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