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大きな愛のハネムーン
オーケアノスのリゾートに着いた僕達はまだ春ということもあり、室内温水プールでみんなとくつろぐ事にした…
「はぁ…ホントにみんなと結婚したんだよなぁ…」
僕はプールサイドで横になっていると…
リンが大きなグラスの上にフルーツがたっぷり添えられた綺麗なブルーの飲み物を持って来た…
「さあ、あなた一緒に頂きましょう…」
グラスにはストローが二本挿してあった…
「リン…こ、これはあの恋人同士が飲むやつでは…」
「ウフフッ…嫌だわ…あなた…
私達もう夫婦じゃありませんか…!!!
恋人同士より深い仲ですわよ…!!!」
「そ、そうか…リンは僕の奥さんだもんね…
じゃ…じゃあ…お言葉に甘えて…」
僕はリンと飲み物を飲んだ。
リンの可愛い顔が目の前に来る…
ドキドキして緊張MAXだぁ〜!
「とっても美味しいですわね…あなた…」
「は、はい…」
いつも一緒に暮らしているけど…奥さんだと意識すると緊張するなぁ…
リンと楽しい時間を過ごした僕は…ふとプールで気持ち良さそうにアリスさんが泳いでいるのを見つけて…声をかけた…
「アリスさーん…!!!」
「…はーい…あなた…あっ…!!!」
その時、アリスさんのブラのヒモが外れた…
「あなた…すみませんが、結んでもらえませんか…⁉︎」
「ブッ…!!!…ぼ、僕がアリスさんの…」
「ええ…だってあなたは私の夫ですから…
私の事も…アリスとかお前とか呼んで下さらないと…」
僕は慣れない手つきでヒモを結んだ。
「ありがとうございます。あなた…」
「う、うん…」
いつも一緒に仕事をしているのにこの緊張感は…
「わーい…純くーん!!!」「純…こっちこっち…」
…ムギュ…ムギュギュッ…
恒例のミカとリーエルの熱い抱擁による…胸のサンドイッチがやって来た…
「い…息ができないよ…!!!」
「ミカね…純くんと結婚したからさ…
いつもより特に抱きしめたくて…」
「あ、あたしも…純…その…抱きしめ合いたいよ…」
「わ…分かった…」
僕は二人とプールでハグをし合った…
いつもみたいにじゃれ合う感じではなくて、
今日は何故かみんなを女性として意識してしまう…
ドキドキが止まらない…!!!
どうしよう…!!!
ちょっと部屋でゆっくりしようかな…⁉︎
僕はリゾートのホテルの部屋で少し横になった…
しばらく…うとうとして…うっすらと目が覚めると…
「ザッパーン」
お風呂に誰か入っている音が聞こえてきた…
「あれ…誰だろう…⁉︎」
「バタン!」
逆光になってハッキリと分からないが…
誰かがバスルームから僕の寝ているベッドの側に来た…
純が視線を上げると…
そこにはタオルを一枚巻いただけのテラが立っていた…
「純…」
「うおっ…テ…テラ…!!!」
「もう遠慮することないやろ…ウチを捧げるわ…もらってや…」
「そ…そんな…テラ…うう…ん」
僕はそこで気を失ってしまったようだ…
「アリスさん…大丈夫やろか…⁉︎」
「大丈夫…気を失っているだけみたい。」
「旦那様…どうされたのでしょうね?」
「ミカ達の事…嫌いになったのかなぁ…?」
「じゅ…純はそんなやつじゃないよ…」
「…多分、私達も急ぎ過ぎたのね…
私達の夫はね、すごい人なんだよ…
五人も奥さんがいるのに…
誰も寂しい想いをさせてないでしょ…」
「あ…」
「確かに…そうやな…」
「一人で五人分…こんな高価な指輪を買うなんて…相当頑張ったと思うわよ…」
純から貰った指輪を見ながら、純の髪を撫でて…涙を流すアリスさんの言葉にみんなが同じように自分の指輪を見て涙を流した…
「…国王の仕事をして…アルバイトの疲れも隠して…結婚式の用意も…
今日は今日で…気を遣って…本当に疲れたでしょうね…
本当は五人もいる奥さんが気を遣ってあげるべきなのに…
この人は名前の通り、〝純〟なのよ。
きっと…私達が女性の部分を出したから困ってしまったの。今までと同じようにしてあげるのが一番いいと思う。
今日は確かに結婚初夜で結婚したら楽しみだわね…
でも急ぐ必要は無いわ。
私達の夫は何処にも行かず、ずっと一緒にいて私達を大事にしてくれるわ…そういう人よ…」
「そうか…そうやな…!!!」
「ミカなんか前世から愛して貰ってるんだからね…!!!
エッヘン…!!!」
ミカの言葉にみんなが笑った…
こうして純と五人の奥さんの新婚生活は始まった…
純は次の日、起きたら頬に五つのキスマークがあるのを鏡で見てビックリした…
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