異世界もやっぱり岩風呂

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異世界もやっぱり岩風呂

僕が目を覚ますと、周りにミカちゃんとテラちゃんの姿は無かった… 一体何処へ行ったのだろうか…? ベッドの上で考えていたら… グゥ〜!!! 腹の虫が鳴いてしまった… 昨夜は食事も摂らないまま、寝てしまったから腹ペコだよ…アリスさんってもう起きてるのかな? ちょっと呼んでみよう。確か頭の中で念じるんだよな。〝アリスさん。起きてますか?〟 魔法陣が床に浮かび上がり、アリスさんが現れた。 「お呼びになりましたか?」 「あの〜お食事は…?」 「はい。いつでもお召し上がり頂けるように手配してあります… 実は昨夜もお食事をお誘いに伺ったのですが、もう休んでおられたのでお疲れかと… ただ…お連れの方々はお風呂に入っておられますので…ご一緒にいかがでしょうか…⁉︎ 勿論、その後でお食事を準備させて頂きます。 それでよろしいでしょうか…⁉︎」 「何から何までありがとうございます… じゃあ…お言葉に甘えてお風呂に…」 僕は準備をしてアリスさんに教えてもらったお風呂へと向かった… 「ああ〜いいお湯だ!!! 異世界でも…やっぱりお風呂は岩風呂だよなぁ… ん⁉︎…さっきから感じているこの違和感… 何か大事な事を忘れている気が… 湯舟に浸かりながら色々考えていると…女湯の方からミカちゃんとテラちゃんの声が聞こえてきた。 「…あんたは元カノやろ…?純の今カノはウチやで!!!」 「ムッカ〜!!!昔も今も純くんの彼女はミカだけだよ…!!!」 「あ、あの二人…湯船の中でもケンカ…⁉︎」 「ちょっと…今、純くんの声しなかった…?」 「ホンマや!!!おーい!!!純…お風呂に入ってるんか…⁉︎」 「う、うん…」 「なぁなぁ…そこ…他に誰かいるの…⁉︎」  「い…いや…居ないけど…」 「分かった!!ほんなら一緒に入ろうや…!!」 「えーー⁉︎じゃあ…恥ずかしいけど、ミカも純くんと入りたいよ…」 「ム、ムリでしょ…だって…」 「大丈夫…簡単なことやで…ウチがそっちに行けばいいだけなんやから…」 「ミカも行くからね…純くん…待っててね…」 「…へ…⁉︎」 ダダダダ…ピッシャーン!!! …あれは…ひょっとして脱衣所に上がった足音…? そしてしばらくして… ガラガラガラ…ピッシャーン!!! 湯気のせいでよく見えないが… 脱衣所の扉のところにボンヤリと人影が… 「おーい…純くん!!!」 「あっ!!!あそこと違うか…⁉︎」 …えっ…ホントにはいってきたの…⁉︎ それはヤバい…ヤバすぎるよ… 僕はこっそりとタオルで前を隠しながら隅の方に移動する。 「なんや純、そんな隅っこの方に行って。 こっちにおいでえな。」 「ねぇ…私と一緒に入ろうよ。純くん。」 …段々と二人の声が近づいて…とうとう僕の前に二人が現れた… 「わあ…ちょっ、ダメだって…!!!……ん⁉︎」 よく見ると二人とも…カプセルの中にいる時のように水着を着ていた… 「あれ…純…!!!何を期待してたんかなぁ…? ウフフッ…」 「べ、別に期待なんか…」 「ねぇ…純くん…一緒にお風呂なんて初めてだね!!!ウフフフ…」 マ、マズイ… 水着を着てない僕だけがお風呂から上がれないよ… 「ふ、二人共…そろそろ上がらないか…⁉︎ ほら、旅の支度もあるし… ミカちゃんは…見つかっちゃうとマズイし…」 彼女達は顔を見合わせて… 「それもそやなあ…」 「じゃあ…一緒に上がろうよ…純くん…」 「ああ…すぐに出るから部屋で待っててよ…」 「うん…分かった!!!」 彼女達が僕の提案に頷いてくれてホッと安堵のため息を漏らしたその時… ガラガラガラガラ…
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