料理の腕

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料理の腕

「終末の日…⁉︎」 アリスさんはハッと我に返って… 「な、なんでもありません… お顔のケガの具合はいかがでしょうか…⁉︎」 …アリスさんの治癒魔法のお陰で傷は完全に消えて いる…痛みも全く無い。 「ええ…大丈夫です。 すぐにでも出発出来ますよ…!!!」 その時… グゥ〜!!!!! 僕のお腹の虫が鳴った… アハハハハ… ウフフフフ… その場の全員が笑い出す… 「じゃあ…お詫びに私が腕を振るいます…!!!」 「えっ!!!アリスさんが…!!!!!」 「…なんか意外そうですね… わ、私だって女性なんですからね…」 「い、いえ…そんなつもりじゃ…」 そして王宮の食堂へやってきた僕達… 「まあ…見ててくださいよ… 腕にヨリをかけますから…」 「…じゃあ…楽しみに待ってますね!!!」 「はい!!!」 ところが… キャアァァァァァァァァ…火、火がぁぁぁぁ… えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!焦げちゃったぁぁ!!! ななななな…何よ…コレ!!!!! …キッチンから様々な怒号が聞こえてきた。 「だ、大丈夫ですか…⁉︎」 そこにはフライパンを持ったまま項垂(うなだ) れているアリスさんがいた… 「こ、こないだは…うまくいったのに…」 「な、何を作ろうとしていたんですか…⁉︎」 「玉子と肉野菜炒めを…」 僕はフライパンの中身を見て…… 「うん!!!これなら…まだイケるかも…⁉︎」 「えっ…」 僕は追加で溶き玉子を人数分のご飯にまぶした。 そしてフライパンにそれを入れる… ジューーーーーッ!!!!! 香ばしい香りと食欲をそそる音が… 「アリスさん…フライパンで焼く時は… 火からの距離を自分で調節するんです… そしたら焦げたりしませんよ。」 「な…なるほど…」 純がフライパンを振ると直火の上をご飯が舞う… 「よし!!!」 最後にスパイスと塩コショウで味を整えると… 『純特製…直火焼チャーハン』の完成である!!! 「な、なんやこれ…ウチ、こんな美味いもん…食べるの初めてやで!!!」 「あーん!!!純くん!!!ミカのほっぺが落ちちゃうよぉ…どうしよう!!!」 「アリスさん…いかがですか…⁉︎」 「お…美味しい…でも…恥ずかしいです… 年下の…しかも男の人に料理を教わるなんて…」 「いやあ…アリスさんだって練習すればすぐに 上手くなりますよ… さあ…食べ終わったらエルドラに向かわないと… 女王様に顔向けができませんからね…」 「は、はい!!!!!」 僕は少し年上の凄腕の魔法使いの… ちょっぴり可愛い部分を知ってしまったのだった…
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