潜入

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潜入

「では…これからエルドラ王国へ潜入します。 皆さん…手筈は整っておいでですか…⁉︎」 アリスさんの言葉に僕達三人は頷いた。 今、僕達はエルドラ王国から程近い森の中に身を隠しながら様子を伺っている… 国全体には特に大きな動きは見当たらない… 「では…これから城下町へと入って行きます…」 「分かりました…ミカちゃんにテラちゃん!!!」 二人の守護神は頷いてカプセルへと入ってくれた。 僕はポケットへそっと二つのカプセルを入れる… 今は収穫の時期で…まるでお祭りのように賑わうグランアンジェとは違って重厚で重々しい雰囲気の王宮に街も非常に落ちついた様子である… ただ…異様なのは城下町に入る城門は固く閉ざされて用事のある者は通用口から衛兵の検問を通って出入りをしている… つまり…なるべくは他国との国交を避けたいということなのであろう… 怪しい…怪しすぎる… 何故、そうまでして干渉されたくないのか… 何か秘密があるのか…⁉︎ エルドラの動向を見ているとそう思わざるを得ない… 「…よっ…と!!!」 僕はニット帽を脱いだ。 何故ならここ…エルドラでは日本のように黒髪の人ばかりで目立たないというのが分かったからだ。クレアさんが間違ったのも無理は無かった… 僕達は意を決して城下町に入る検問に臨んだ… 衛兵の横を通り抜けて城下町へと入る…どうやら僕の髪色をチラリと見て通してくれたようだ… ホッとした僕は街へ入ると僕は一先ず、路地裏へと身を隠した… 「アリスさん…もういいですよ…」 「はい…!!!」 周りに合わせて色を変える保護色の魔法を使って身を隠していたアリスさんが姿を現して僕に向かって微笑んだ。 とりあえず今夜の宿を探して小さな宿屋の一室に落ち着いた僕達は宿屋の主人と少し世間話をした。 その時に分かった事…最近は静かな毎日だったが、ここ三日ほど兵士の動きが活発でまるで戦いに備えているのだろうかと街では噂になっているということだった。 エルドラ王国の国王はグランアンジェの女王様とは真逆で普段は決して姿を見せず、国民とは軍や大臣を通じてその意志を示す王様らしい。 謁見してもらえない僕達が王宮に忍び込んでエルドラのことを探るのは至難の業であるのは間違い無かった。 「さあ…何とかして王宮に潜入しなくては… だけど…」 「純さん…私が変化の魔法で女兵士になって潜入してみようと思います。 あなた達は一先ず、ここで待機して下さい。」 アリスさんの言葉にポンと彼女の肩を叩いたのは…テラちゃんだった… 「ウチも変化の術使えるで。ウチも行くわ。 おい、ヘナチョコ。ウチのいーひん間に純にエッチなことしたらアカンで。」 ミカちゃんは「あなたじゃ無いからそんな事しませんよ…ベー…」と舌を出した。
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