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膝枕
僕とミカちゃんは宿屋でアリスさんからの連絡を待つことにした。
二人共、エルドラ兵に見つかったりしていないだろうか…?
僕が不安に襲われていると、突然、僕の右腕は床のほうに向かって引っ張られた。
「えっ……⁉︎」
…トンッ!!!
僕の頭は…見事に僕の袖を引っ張ったミカちゃんのヒザ枕の上に着地した。
「ウフフッ…純くん…横になっててね…
ミカが耳のお掃除してあげるよ…」
「な…何言ってんの…二人が王宮に潜入捜査してるんだよ!!!いつ連絡がくるかも…」
「えー!!!だって待ってるのヒマなんだもん…
それにミカ、純くんとイチャイチャしてたいよ…
いつも邪魔者がいるけど、今、二人きりだし…」
でも…まあ、ミカちゃんの言いたい事も分かるような気もする…
…きっと僕が気ばかり焦ってるのが彼女には伝わるんだろうなぁ…悪いのは僕の方だ…
「分かったよ…ミカちゃん。
じゃあ…お言葉に甘えて…お願いします。」
「わーい!!!ミカ、純くんだーい好き!!!
だって…いつだって優しいんだもん…
じゃあ…お掃除するから動かないでね…
ウフフッ…楽しいね!!!」
「あはは…ちょっとくすぐったいよ…」
「純くん…こんなんでくすぐったいんだったらミカ…フーフーしてあげられないよ…ウフフッ…」
彼女は嬉しそうだけど僕はそれ何処では無かった…
ミカちゃんの柔らかな太ももの感触が僕の耳あたりから伝わって血の巡りと心臓の鼓動のスピードを上げていく…
僕のこのドキドキはアリスさん達のことを考えてドキドキしていた時とどちらの方が大きいのだろうかと不謹慎なことを考えていた…
その頃…無事に王宮へ潜入したアリスとテラは、テラの手引きで国王陛下が居る最深部へと急いでいた…
「確かこっちやで。」
「あなた…やっぱり、あのエルドラの王子の…」
「バレたらしゃーないな…そうや!!!ウチはエルドラの王子、ジークの守護神やったんや!!!
でも純の優しい気持ちに惚れてしもうて、ジークと契約解除して純に乗り換えたんや…やっぱり男は金や地位よりも優しさやで。」
「分かったわ…あなたを信じましょう…
さあ…国王の元へ…」
二人の前に螺旋階段が現れた…テラが駆け上がるとアリスもそれに続く…すると上の階からゆっくりと誰かの影が降りてきたのが見えた。
その男の顔を見てテラは驚きを隠せない…
「とうとうここまで来たか…しかし!!!」
男は腰の剣を抜いた…
お前らを国王の元には行かせん…絶対に!!!」
二人の前に立ち塞がったのは…
あのジーク王子だった…
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