バスルーム・トーク

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バスルーム・トーク

「皆さん…賑やかで楽しそうですね… 私もご一緒させて頂いてよろしいですか…?」 「は、はい…」 「何や〜!!!アンタ、まさかウチらと一緒に純の争奪戦に参加しようっていう腹やないやろな…」 ジロリと横目で見てくるテラに対してアリスさんは 両手を前に突き出して振り出す… 「と、とんでもない…こんな可愛い彼女が二人もいる人に…それに私は女王様のお付きの魔法使いですよ… 今や、グランアンジェの英雄となられた皆さんに失礼があっては女王様に叱られますよ…」 「ふうん…なんや、アンタよう分かっとるやないか…!!!」 さ…流石はアリスさん… 僕達が運良く英雄と(あが)められるのもアリスさんやグランアンジェの兵士の皆さんの力のおかげなのに…大人の余裕でサラッとテラを(いさ)めてくれただけではなく… いつもローブを着ているアリスさんの水着姿…!!! こちらも大人の余裕の豊満な…ああっ…直視できない!!! グランアンジェの女王様の配下で一、二を争う魔法の使い手で今まで女性としての見方をしていなかったせいか…ミカやテラとは違った年上の女性の魅力に…僕は男として湯舟から出られない状況に陥ってしまった。 「あ、あら…どうかしましたか…⁉︎」 「い、いいえ…何でも…アハハハハ…」 「コラー!!!純!!!」 テラは怒りながら僕に抱きついてきた… 「純…今、その女の乳を見てたやろ…⁉︎ アンタの婚約者はウチやろ…ほら!!!ウチの乳を見るんや!!!ウチの乳を!!!」 彼女は僕の顔に自分の胸を近づける… テラ… 恥ずかしいよ… それに…乳って言うなよ… 「純くん…お乳が好きなんだね……⁉︎ よーし!!!こうなったら恥ずかしいけど…ミカも…」 「わー!!!もう乳はいいから!!!」 もう…つい、僕も乳って言っちゃったよ… アリスさんも苦笑いしていた… 「ああ…いいお湯…」 アリスさんは湯舟に浸かりながらゆっくりと僕に話しかけてこられた… 「純さん…遅くなりましたが、この度は助けて頂いてありがとうございました。私、女王様から護衛とお世話を仰せつかったのに、私の方が純さん達に…何とお詫びを申し上げてよいか…」 「それは違います!!!今回、僕達はただ運が良かっただけで…もし、アリスさんが一緒にいてくれなかったら僕達は全滅していたでしょう。 他の誰でもダメだったと思います。こちらこそありがとうございました。」 純の優しくて真剣な眼差しの言葉にアリスの表情が少し和らいだ… 「そう言えばジークが言ってた転生者とは一体何でですか…?そしてあの紋章にはどういう意味があるんですか? アリスさん…ご存知なら教えて頂けますか…?」 アリスさんは頷いて…そして語り始めた。 「ご存知かもしれませんが…私達のこの世界には、人間、魔法使いと守護神、そして神族という種族達がいます… …その前に…純さん… あなたは異世界から来られた方なのですね…」 「……!!!」 …ズバリと言い当てられた僕は少し驚いた…が、 「そうです!!! ここ…グランアンジェと何の縁もゆかりも無い僕を信頼してくれた女王様とアリスさん… あなた方に僕は嘘はつけません…」 アリスは純の瞳を見つめた… どこまでも透き通っていて底が見えない… 女王様の言葉を思い出す… 「深淵の瞳…」 「えっ…⁉︎瞳…」 「い、いえ…何でもありません… エルドラの民のようなその黒い髪と装い… 女王様は多分…お分かりだったとは思いますが… 私の勘が正しかったのですね… 純さん…あなたがどうやってこの世界にやって来られたのかは存じ上げませんが… 恐らくは…ずっと前から決まっていたあなたの運命であると私は思います!!!」 「運命…」 「私達の世界の一つにソリューという国があり、この国の人々は殆どが転生者で構成されています…」 「…じゃあ…転生者とはソリューの…」 「…いいえ…違います。 まず転生者とは寿命が尽きてこの世から消える時に生前の能力を引き継いだまま新しい命としてこの世に生を受ける者を指す言葉です… では…何故、転生をするのか…⁉︎ 能力を引き継ぐと言うことは…一つの命が尽きるまでに学んだ叡智や経験などを上積みしていくという事なのです…」 「なるほど…ソリューの人々はそうして転生を繰り返す事で…」 「はい!!!肉体も魂も段々と神に近づいていくと言われています… (ゆえ)に…彼らはこう呼ばれているのです… 『神族』と… 「神族…」 果てしない旅路を歩き続ける…その運命を持った種族の話に僕は思わず息を飲んだ…
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