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バスルーム・トーク その2
「ぼ…僕は元々、ソリューの…この世界の…神族だと…」
「いえ…まだそうと決まった訳ではありません…」
心なしか…アリスさんの表情が少し曇ったような気がした…
「純さんがもしソリューの人間なら…この世界の…しかも神族として生まれてくるでしょう…
それが何故…異世界の…人間として転生したのでしょうか…⁉︎
考えられる理由は三つ…」
「な、何ですか…一体それは…⁉︎」
「一つ目は…どうしても異世界の人間として生を受ける目的や使命があった…
…つまり、弥生純としてでしか成し得ない事があると言う事です…」
「今の僕でしか…成し得ない…一体、そんな事が…」
「二つ目は…神に近い者が異世界の人間として生を受けて…己の罪や業を精算したかった…
…非常に申し上げにくい事ですが…転生者の前世が必ずしも善の者とは限りません…
神は神でも破壊神や魔王だって転生してまた生を得る事だってあるでしょう…
「ぼ…僕にもその可能性が…⁉︎」
「…あくまで可能性です…そして…三つ目は…」
僕はゴクリと息を飲んだ…
「願わくば…
そうであっては欲しくないのですが…」
「…構いません!!!言って下さい…」
「…この世界に居られなくなるほどの辛い出来事や悲しい出来事があって…二度と戻って来たくない絶望感に苛まれている…
そう…例えば…」
「た、例えば…⁉︎」
「大切な…自分の命と引き換えにしても惜しくないような…愛する人を失った哀しみ…」
突然…何故か…僕の心の中に青白い炎が灯ったかのように…
苛々とした感情が湧き上がる。
「…僕には分かりません…そんな…
最近、初めて彼女が出来たところの…学生に…
そんな事…分かるはずが…」
アリスはハッと気がついて…
「そ…そうですよね…私…何をバカな事を…
すみません…」
僕も同じように…急に我に帰った。
「い…いえ…なんか失礼な言い方を…お気になさらないで下さい…」
「わ、私は大丈夫ですよ…
それにさっきも申し上げたように…あくまで可能性の問題ですので一つも的を得てない場合もありますから…」
「でも…全部当たってる場合かてある訳やろ…⁉︎」
テラが横から口を挟んだ…
「でも…私は…こんなに…思い遣りが…ある…素敵な人が…ううっ!!!」
アリスは静かに気を失って…
湯船のなかへと沈んでいった…
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