熱い涙

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熱い涙

次の朝早くに僕達三人はアリスさんを呼び出した… 僕が女王様のお申し出を謹んで辞退させて欲しいと伝えると…とても残念そうに俯きながら… 「分かりました…仕方ないですね… 純さんには純さんのご都合がありますから…」 「…最後に女王様に自分から気持ちを述べさせて貰えませんか…? お世話になっておいてこのままというのはちょっと…」 「はい…女王様も残念そうにされるでしょうが、あなたのご意志を尊重されると思います… では…こちらに…」 僕達はそれぞれに手を繋いでアリスさんに女王様のおられる部屋の前まで瞬間移動で連れてきてもらった… 「女王様…純さん達がご挨拶したいと申されておられますが…?」 「おお…開いておるから入ってくれて結構じゃ…」 アリスさんの後に続いて部屋に入ると… どうやらここは女王様の書斎のような部屋で調べ物をするような分厚い本がギッシリと詰まった本棚に囲まれた大きな机と椅子… そこにかけられた女王様は羽付きのペンを走らせて文書にサインをしておられる途中であったようだ… 女王様は一旦手を止められて、僕の顔を真っ直ぐ見つめておられる… 「おお…もう帰るのか…名残惜しいのう… …どうじゃ…わらわの頼み… 考えてみてくれたかの…⁉︎」 「すみません…僕はまだ学生で… 人生に於いて今は学ばなくてはならない大切な時期だと思うんです… だから…今は…無理なんです…」 「そうか…いや、済まなか……」 「悩みました……!!!!!」 ミカも…テラも… 女王様も…アリスも そこにいる全員が純の表情に釘付けになった… 拳を握り… 俯いている彼の瞳からポタポタと涙が落ちていく… 「僕の事をこんなに信頼してくださる方々に… 精一杯応えたい!!! でも…今は時間が…… 自分が選んだ道を放り出すことは出来ないんです… …心からお詫び致します。 申し訳ございません……」 深々と頭を下げる純… この言葉……遠い昔に… 優しい笑みを浮かべて女王様は椅子からお立ちになり…そして彼の側へ歩み寄られた。 そして…そっと彼の背中に右手を置かれた… 「…純よ… お主は立派な男として自分に信を問うて… そして解を導きだしたのじゃ… だから…女子(おなご)の前で決して泣いたりしたらダメじゃ…… …お主の思い遣り… わらわの心にちゃんと届いておるぞ… だから…もう決して涙を見せるでないぞ…」 その時… ガバッッッッ……
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