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運命の輪
「ぶ…武闘大会…⁉︎」
「そうです…世界最大と言われる…ソリュー王国内のコロッセオで毎年行われる恒例の武闘大会です…
国交断絶を表明しているソリューと言えども、その大会期間だけは、参加者、観覧者を世界全土から受け入れます…全ての種族、政治、思想、宗教などを超えた大会です…
ただ問題が一つあるのですが…」
「…一体それは何ですか…⁉︎」
「それは…また後日、改めてお伝えします…
武闘大会までにはまだしばらく時間の猶予もありますので、とにかくハードルを一つ一つ超えなければソリューに入るのは難しいという事です…」
…アリスさんの言葉はちょっと意味深に僕には聞こえた…
「今は…我々の仲間が安全な場所からソリューを注視しております…変わった動きがありましたらすぐにご連絡致しますね。
さて…純さん…
ここからはプライベートなお話になりますが…」
「はい…あの…」
僕はテラの顔を覗き込んで…
「テラ…ちょっとこの部屋で待っておいてくれないかな…⁉︎」
「分かってるよ!!!純…ウフフ…
ウチらの今後のための財テクの話し合いやろ…⁉︎」
「…財テク…⁉︎」
「ええんやで…分かってるさかい…
さあ…早う…姉ちゃんと話しておいで…ウチはちゃあんと待ってるさかいな…」
「そ、そう…それじゃ…!!!
アリスさん…
ちょっと場所を変えてお話をしましょうか…⁉︎」
「は、はい……」
女王様は王宮の中でも奥にあるエリアのある部屋へと向かわれていた…
その時…
「女王様……純様の身内の方だという方が城門の前にいらしております…」
「なんと!!!…純とアリスはおらんのか…⁉︎」
「それが…お二人が大切なお話をされているので人払いをするように申しつかっておりますが…」
「あいわかった…丁重に謁見の間に連れて参れ…」
「はっ!!!」
「女王様…すみません…こちらに純くんが…」
「おお…そなたじゃったか…
純なら確かに来ておるぞ…
部屋を用意させるから…そちらで…うん…⁉︎」
女王様はミカの顔をまじまじと見つめている…
「そなた…純と同じ目をしているな…
ひょっとして…転生者か…⁉︎」
「私…ですか…い、いえ…私は守護神です…」
「…そなた…名はなんと申す…⁉︎」
「…ミカです…」
…まさか…な…
「すまぬ…時間を取らせてしまったな…!!!
誰か…誰かおらぬか…この者を純のところへ案内してやってくれ…!!!」
「はっ!!!」
「…そ、それは大丈夫だと思いますが…
純さん…本当にこの金貨を全部…ですか…⁉︎」
「はい!!!僕には必要ない物ですから…」
アリスは純の突然の頼みに驚きを隠せないでいた…
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