一緒に過ごす夜

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一緒に過ごす夜

キュンキュンキュンキュン… と、とにかくアラーム音を止めないと近所迷惑だ… 僕は音がする方向を目で探るとミカちゃんの横に転がっているカプセルを見つけた… 「こ、これ…どうやって止めるんだろう…」 「ヒック…ミカに…貸して…」 ミカちゃんがカプセルの魔法陣に触れると大きなアラーム音は止まった… 「ふう…」 しまった…!!!落ちついている場合では無かった…!!! 「ねぇ…ミカちゃん!!! クレアさんが連れて行かれたって…⁉︎ 一体誰に…?」 「…ヒック…私にも分からないよ… ただ…マントと鎧を着た男達で純くんと同じ髪の毛の色をしていたよ… ミカ…怖い…怖いよ…純くん…助けて!!!」 そう言ってミカちゃんは僕の身体を抱きしめてきた… …お、女の子のハグ… ダ、ダメダメ… こんな時に何を考えてるんだ…僕は… 震えているミカちゃんをギュッと抱きしめると… 「大丈夫!!!ミカちゃん… 僕の所にいれば安全だよ… 今日は遅いからとりあえず寝て、朝になったらクレアさんを一緒に探そうよ…」 「うん…ありがとう…」 一先ず、ミカちゃんは泣き止んでくれた… 「僕のベッドで休んでね… 僕はソファーで寝るから…」 彼女にそう声をかけると… 「純くん…ミカ寂しいよ… ねぇ…一緒に寝よ!!!」 …い、一緒に……!!! 女の子と…一緒に…!!! お、おおおお落ちつけ…純!!! 今は非常事態だ!!! 彼女の心はとっても傷ついている… 今は少しでも不安を取り除いてあげる事が大切だ。 お前の彼女だろ!!! もっと大切にしてあげないと!!! …ゴクン!!! 「じゃ、じゃあ…一緒に寝よ!!!」 「…うん!!!」 月明かりに浮かび上がる綺麗な彼女の笑顔… 狭い一人用のベッドに二人で潜り込む… 「…ミカちゃん… 明日は忙しくなるだろうから少しでも休んでおこうね…おやすみ…」 「うん…ミカ…純くんがいてくれてとっても幸せ… おやすみなさい…」 そう言って彼女は目を閉じた… 彼女の髪を撫でながら… 僕の中に怒りの感情が沸々と沸き上がってくる… 僕の大切な彼女をこんなに不安な目に合わせたヤツを…絶対に許せない!!! 僕は彼女の身体を守るように抱きしめて眠りに着いた… …朝が来て… 「おはよう…純くん!!!」 「……お、おはよ…」 ぐっすりと休んで少し元気が回復したようなミカちゃんとは正反対に… 僕は勢いとはいえ…女の子を腕に抱いて同じベッドで一夜を共にしたことの恥ずかしさでなかなかミカちゃんの顔を見ることが出来なかった… 「そ、そうだ…ミカちゃん…シャワー浴びてきなよ… その間に朝ご飯を作っておくから…」 「しゃわー…?う、うん…」 僕はミカちゃんをバスルームへと案内した… 「…バスタオル…ここに置いておくからね… 上がったらこれで身体を拭いてね…」 「はーい!!」 元気良く返事をしたミカちゃん… 僕は朝食を作りにキッチンへと向かった。 「キャァァァァァァ!!!」 突然…バスルームの方からミカちゃんの悲鳴が聞こえた!!! なななななな何だ!!! 全速力でバスルームへと向かう!!! 「どうしたの!!!大丈夫!!?」 勢いよくバスルームのドアを開けると… そこにはずぶ濡れの… 一糸纏わぬ姿のミカちゃんが涙目で立ち尽くしていた… 「グスン…純くん…」 「わあぁぁぁぁぁ!!!…ゴ、ゴメン!!! ミ、ミカちゃん!!!タオルでま、前を隠して…」 「あっ!!!はっ…はい!!!」 ミカちゃんは… 見られた事を気にしてないみたいだ… きっと他の女の子なら… …ブルブルブル…怖い事は考えないでおこう…
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