何のために

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何のために

「じゃあ…そろそろ…行きましょうか…⁉︎」 「…あっ…は…はい……!!!」 アリスは…自分の意気地の無さにガッカリして下を向く… 「はあ…」 純から取り戻して貰ったペンダントを見つめながら… …どうして…どうして言えないの…⁉︎ 「………どうかしましたか…⁉︎」 「……いいえ……じゃあ…グランアンジェに…」 ため息をこらえて瞬間移動をしようとしたその瞬間… 純とアリスさんは覆面と全身黒づくめの男達に取り囲まれた。 「じゅ…純さん…」 「お前達は一体誰だ…僕達をどうするつもりだ…⁉︎」 「…取り敢えず一緒に来てもらおうか…!!!」 僕達に一斉に黒づくめの男が飛びかかってきた… 「はあぁぁぁぁっ…!!!」 紋章の力を解放し始めた僕はトライデントの応用で腕を横に振り抜いた… 「…グハッッッッッッッ…!!!!!」 数人の男が一瞬にして吹き飛んだ… しかし… 「くっ……」 「キ…キリがない…」 た…たった二人の僕達相手に一体何人の男達がっ… 「純…!!!アリスちゃん…!!!」 その時…!!! 瞬間移動でクーファ先生が僕達を助けに来てくれた… 「早くつかまれ……!!!」 僕達はクーファ先生に手を伸ばす。 その時…… 「あっ!!!」 アリスのグラン・プラチナのペンダントのチェーンが切れた…… ペンダントを拾おうと僅かにクーファ先生の手から視線を外した時… 「傀儡の術…!!!」 「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」 「ア…アリスさぁぁぁぁん!!!!!」 動けなくなり…哀しみの表情のアリスさんが目に入った次の瞬間……僕とクーファ先生はオーケアノス城に来てしまった… 焦った僕は… 「クーファ先生…アリスさんを助けに行きます… もう一度…僕をソリュー王国の近くまででいいから連れていってもらえませんか…?」 「ダメだダメだ…お前達はこれからソリュー国王に狙われるだろう… しばらくオーケアノスに身を隠してもらう…女王様にも確認を取ってある… 彼女も隊長で魔導士と言えど一兵卒だ… 残念だが…覚悟は出来ているだろう…」 その言葉に僕は頭にカーッと血が上った… 「先生…僕は先生を今まで尊敬してきました… しかし…そのお言葉には従えません… 僕はグランアンジェやオーケアノスの人々が大好きだし…大切に思っています。 …でも、その為にアリスさんが犠牲になるなら僕は何の為に闘っているかわからなくなります… すみません…僕は一人でも行きます!!!」 「お…おい!!!純…純……!!!!!」 僕はオーケアノス城を飛び出して東へ向かった。 アリスさん…無事でいてくれ……
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