2人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
脱出
「な、何事だ…!!!」
まるでローク国王の叫びに応じるかのように…
崩れた壁の中から誰かの影があらわれる…
そこには覆面の男が立っていた…
屈強な身体つきに黒い布で顔を覆っている…
その男は次の瞬間、僕が信じられない技を使った…
「ぬうぅぅぅん!!!…トライデント!!!」
牢屋の扉ごとロークを守っていた兵士…四、五人が吹っ飛んだ…
「この技…おのれ…オーケアノスの手の者か…⁉︎
その身体つき…まさか…お前、クーファ国王では…⁉︎」
「おいおい……誰がクーファだって⁉︎」
兵士達の間からクーファ先生が現れた…
「ク、クーファ国王…どうしてここに……⁉︎」
「今だ!!!」
覆面の男のその声に僕とアリスさんは頷く…
ローク国王が怯んだ隙に覆面の男は僕とアリスさんを連れて地下牢の壁の穴の中へ姿を消した…
「うぬぬ…どこへ逃げた…追え!!!追うのだ!!!」
兵士が牢屋の中へ向かおうとするとクーファが立ち塞がった…
「おいおい、何か…俺やオーケアノスを疑っているようだが…お門違いもいいところだぜ。俺は…酒を飲み過ぎてな…酔いを覚まして…今から帰る所だったんだ。ところでお前の前で睨んでたアイツが何かしたのか…⁉︎」
「い…いや…」
ロークは説明することが出来なかった。説明すればアリスが地下牢に囚われていたことも説明しなくてはならない。
更にややこしい方向へと話が発展してしまう…
「あ…そうそう…言ってなかったっけ…
ローク国王…アイツはな俺の一番弟子で…
そして娘の婿でもある。つまり俺の息子なんだよ…!!!」
「な…何…!!!クーファ国王の息子!!!」
「王宮内でアイツらが騒ぎを起こしたことは…
この通り詫びる!!!済まなかった…
しかし、同盟国のアンジェの女王や俺の身内を傷つける事は…彼女も俺も黙っていることは出来ない…分かってるよな。」
「くっ…!」
「じゃあ俺はそろそろ帰るわ…あっ!!!
それとさっきの覆面野郎と俺は無関係だからな…」
瞬間移動でクーファが帰った後…
ローク国王は舌打ちをした。
「む…無関係だって…そんな筈が無かろう…
…良いわ…クーファめ、アンジェ共々…
地獄におくってやる!」
無我夢中で逃げた僕達は…気がつくとオーケアノス王宮に連れて来られていた…
僕はカプセルから三人娘を出した。
「はぁ〜よう帰ってこれたわ。」
「ホントだね〜。」
「でも旦那様がご無事で良かった…」
覆面の男が顔を覆っていた布を取った…
「ふう〜みんな無事か……?」
男は精悍な顔つきで、どこかクーファ国王の面影があった。
最初のコメントを投稿しよう!