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胸騒ぎ
しばらくの間…身を隠す為に海底都市で過ごしていた僕達だったが…あれからソリューからアンジェの女王様やクーファ国王への挑発や侵略行為などは一切ない。クーファ国王からローク国王への〝睨み〟が効いたのであろうか?
アリスさんはクーファ先生がグランアンジェまで送り届けられて…夏休みが終わった僕と守護神達はこちらの世界に帰ってきて…いつもと変わらない生活に戻った。
ミカが僕に抱きついて…それにテラが怒って…リンは静かに僕の側にいる…そんな時間が当たり前のようになっていた。
そう…アリスさんのあの連絡が僕達を再び異世界へと誘うまでは…
夏の香りがまだまだ残る九月のある朝…
僕が学校に行こうと玄関のドアを開けたその瞬間…
頭の中にアリスさんの声が響いた。
「純さん…!!!純さん…!!!大変です…!!!
エルドラがグランアンジェを侵攻し始めました…!!!
すぐに応援をお願い出来ませんか…⁉︎」
「そ…そんな…本当ですか…⁉︎
すぐに準備して向かいます…!!!」
僕はすぐに三つのカプセルを開けて、グランアンジェの王宮に向かった…
グランアンジェの王宮に着くと…辺りは夕焼け空のように真っ赤に染まっている…
それもその筈…王宮には火の手が上がり…最前線で指揮をとるジーク率いるエルドラ兵達に…グランアンジェ自慢のアリスさん達…魔法軍も窮地に追い込まれていた。
オーケアノスから応援に来てくださったルーニーさんのおかげでようやく侵攻の勢いは止まった…
ジークは何故か自分だけを残して兵を王宮から引き揚げさせた始めた…
「フン…純とやら、今度こそ決着をつけにきたぞ…」
「ジーク!!!
罪のない人々を酷い目に…もう許せない…
望むところだ!!!
テラ…リン…アリスさんと王宮の消火活動を頼む…」
「オッケー…任せといて…」
「承知致しました…」
「行くぞ…ミカ…!!!」
「…うん…!!!」
僕は…ミカと一緒にジークに立ち向かって行く…
紋章を浮かび上がらぜ…ジークにトライデントを浴びせつつ…ジークの剣を音叉で止めた…
…キイィィィィ…ン…!!!
ミカも紋章と光のティアラを得て…覚醒状態になった。
「フッフッフッ…とうとうなったな…その姿に…」
ジークも…カプセルを開けて…自分の守護神、ヒルデと共に襲いかかって来た…
…RE:VOLUTION…!!!
「ミカ…あの時のようにカミナリを…!!!」
「ワカッタ…!!!」
…バリィィィィィ…ン…!!!
僕の前に落ちた…ミカの極大のカミナリを剣にしてジークに対抗する…
「フッフッフッ…!!!」
「…何だ…この不敵な笑いは…⁉︎」
…純は不思議に思っていた…
武闘大会の時と違って…ジークは攻撃をしてくるでもなく、こちらの攻撃を受け流している…
ヒルデもひたすらに回復呪文や軽減呪文しか使わない。
覚醒したミカが僕に向かって叫ぶ…
「ジュンクン…カレラハ ナゼカ ジカンカセギヲ シテイルミタイダワ…!!!」
…時間稼ぎ…⁉︎
…何故……⁉︎
「ま…まさか⁉︎」
…僕の胸に不安がよぎる。
「アリスさん…!!!」
「は…はい…何でしょうか…⁉︎」
「そこはテラとリンに任せて…ルーニーさんと共にオーケアノスに向かってください…
…嫌な予感がするんです!!!」
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