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もう一人のミカ
純の言葉通り…その頃…京都では本能寺からオレンジ色の光が平安神宮の上空辺りまで伸びていくのが沢山の人に目撃されていた。みんなイベントの一環だろうとあまり気にする人はいなかった。
純も…京都までは足を運ぶ事も出来ず…ネットの情報などを注視してはいたが…その後はしばらく何の動きもなく…クーファ国王と相談してこの問題は一旦保留という形になった…
グランアンジェでは神聖節のお祭りの用意で賑わっていた。
こちらの世界の聖暦では豊作を願う聖人節…
自然の恵に感謝する魔法節…
五穀豊穣を祝う守護節…
神々に感謝する神聖節…
それらが四季の移り変わりを表している。
聖人節が守護節、魔法節が神聖節と対を表しており、四種族の源流ルーツとなっているらしい。
神聖節はこちらの世界でいうクリスマスとお正月が一緒にくるような賑やかなお祭りがある。
次世代を担う子供に感謝するお祭りでもあり、子供は親から色々大切にしてもらえるとあり、大喜びするのも似ていてなんか面白い。
やはり二つの世界はパラレルワールドなのだろう…
僕は冬休みに入ったところだった…ミカはクレアさん、テラはナミさん、リンはクーファ先生の所へ久しぶりに帰っていた。
正月くらい親の待つ実家で過ごそうかなと…部屋で準備をしていた。その時、僕の頭の中に驚きの連絡が入った。
「純さん…私です。アリスです。大変なことが…またグランアンジェが襲われています…!!!」
「し…襲撃…まさかソリューが…⁉︎」
「そ…それが信じられないのですが…敵は…ローク一人だけです。
ヤツは極大魔法を使って王宮を攻撃しています。
エルドラもオーケアノスも他の魔王に攻撃されており、迎撃に追われています。」
「分かりました…すぐ行きます…」
僕はミカのカプセルを開けた…
ボワン…!!!
と音がして煙の中からうっすらミカの姿が見えてくる…
「ミカ…グランアンジェに行くよ!」
「キャッ…!!!…じゅ…純くん…?」
全裸のミカが現れた。
「ああぁぁぁぁぁ…!!!ミ…ミカ…何で…⁉︎」
「ミカね…これからお風呂に入ろうと…
でも…純くんはミカの彼氏だし、結婚するんだし…
まあ…いっか…!!!
あっ!純くんもミカと一緒に入ろうよ…
ミカが洗ってあげるよ…!!!」
あの…ミカ、服を着てね…!!!
それどころじゃないんだよ…
そんなこんなで…ようやく僕はミカとグランアンジェ王宮に着いた。
アリスさんの言われる通り…ロークがアンジェの魔法部隊と一線交えていた…お祭りを楽しんでいる皆の笑顔を奪うなんて…絶対に許せない!!!
「ぬうぅぅぅ…ん!!!」
僕は紋章の力を得て…
…キィィィィン!!!!!
ミカも音叉の音で覚醒状態となる…「RE:VOLUTION!」
「ローク…覚悟しろ…!!!」
「来たな…異世界の転生者よ…!!!
余の計画をよくも台無しにしてくれたな…
直々に礼をしに来てやったわ…!!!」
「恨まれるようなことをした覚えはさらさら無いけど…僕が気に入らないからって…こんな皆の喜びを奪うような真似はやめろよ…信長!!!いや…天魔と呼んだ方がいいのか…⁉︎」
「フン…余のことを調べたのか…⁉︎…まあ良いわ…付き纏われるのには慣れている…お前のところの女王の顔をした女狐にもな…」
「女王様が…⁉︎どういう事だ…⁉︎」
「ワシに訊くより本人に訊いてみたらどうだ…⁉︎」
ロークは甲冑を着た信長の姿に変わった。そして剣を構える…
「戯言はここまでよ…余の戦い方を見せてやるわ…!!!」
「E:VOLUTION!」
ミカは光の天使の姿に進化して…
極大のカミナリを信長に放った。
ウウウ……ヤアッ…!!!!!
…バリバリバリバリィィィィン!!!!!
しかし、信長はそれをかわした。
カミナリは地面に突き刺さる…
僕はカミナリを剣に変えて信長に向かって構えた。
信長は声高々に笑った。
「いや…さすがよの…武闘大会でなみいる神族達をなぎ倒すだけのことはあるな…
しかし、余にも助っ人がおるのじゃよ…」
信長は懐から緑色の…ミカのと瓜二つのカプセルを取り出した…
アリス達と一緒にこの闘いを見守っていた女王様は
「ま…まさか…⁉︎」
と目を見開いて苦しそうな表情をされた…
駆け寄るアリス…
「女王…様…⁉︎」
信長はカプセルを開けて叫んだ…
「出でよ…リーエル!!!」
黒いドレスに身を包んだ綺麗な銀髪の守護神が現れた…
まるで天使と悪魔の両方を兼ね備えたような…
その姿に僕はどこかミカの面影を感じた…
「何故だろう…ミカに…はっ…!!!」
僕はリーエルの美しさに見とれていた自分を律して構え直した。
純とロークの一戦の様子を見ていたアンジェ女王は震えながら崩れ落ちた…
「あやつが持っておったのか…あやつが…!」
「まだまだこれだけではないぞ。のう、リーエルよ…」
信長の言葉にリーエルは頷く。
信長の転生者の紋章が一層激しく光りだす…すると…
リーエルの身体が光と闇が交わったような…不思議な輝きを放つ…例えるなら皆既月食にも似た不気味な雰囲気を持った光である。
次の瞬間、僕達はリーエルの姿に目を疑った。
リーエルの腕に紋章が浮き上がり…信長の紋章と共鳴して…光を放つ…
キュンキュンキュンキュン…
「RE:VOLUTION…!!!」
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