甲冑を着た女王様

1/1

2人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ

甲冑を着た女王様

「あ…あれは…」 彼女の銀色の髪の上には漆黒のティアラが現れた… 彼女を見ていると… まるで全てがミカと対のような印象を受けてしまう… 「ほう…思いの外、驚いておるようじゃのう… ところで…これは何か知っておるかな…⁉︎」 信長は(ふところ)から音叉を取り出して… ニヤリと笑った。 「な…何だと…」 信長は音叉を自分の刀の刀身に打ちつけた… …キィィィィン…!!! 信長の紋章が虹色に光り出し…それに呼応するように リーエルのそれも虹色に輝き出す… リーエルの目が赤く光り…彼女はミカと同じように極大の黒いカミナリを呼んだ。 …バリバリバリバリィィィィン…!!!!! 信長は自分の剣に黒いカミナリを纏わせる… 「行くぞ…小童(こわっぱ)め…!!! ウルワァァァ…!!!」 「くぅっ…!!!」 純のカミナリの剣と信長の剣がぶつかり合う! …パキィィィン!!! 「…な…何!!!」 純のカミナリの剣が砕け散る。 「アブナイ…ジュン…!!!」 ミカが純を庇う。 …バリィィィィン…!!! 「キャアァァァァァ…!!!」 ミカは信長の剣から飛び出した極大の黒いカミナリに撃たれた… 「ミ…ミカァ…!!!」 フッ… 腕の紋章も光のティアラも消えて… ミカはその場に崩れ落ちる… 彼女を救うために駆け出した僕は…隙だらけになった。 「馬鹿め!死ねぇぇぇい!」信長が剣を振りかざした。 …キィィィィン!!! 僕は一瞬…目を疑った… 振り下ろされた信長の剣を受け止めたのは 甲冑を身に纏ったグランアンジェ女王だった。 「ほう…クララか…そうか…(ぬし)戦乙女(ワルキューレ)だったな…」 「…くっ…やはり私から姉様達(ねえさまたち)を奪ったのは…お前だったのか!」 「異世界のワシの墓に隠しておいたのさ… そなたと同じようにな…」 そして…倒れ込むミカを受け止めた者がいた。 「ア、アリスさん…!!!」 アリスはニッコリ笑うと…ミカに回復魔法をかけ始めた… 「くっ…ダメだわ…!!!このままでは…純さん…!!! ミカさんをカプセルに戻して下さい…その方がまだ…」 「分かりました…!!!」 僕はミカをカプセルに戻した。 その時…ルーニーさんとクーファ先生が瞬間移動してきた。 それを見た信長は… 「まぁ、良いわ。今日はこれで引き揚げよう…」 リーエルと呼ばれる守護神のカプセルを開けて彼女を戻した後…信長はソリューに向かって飛んで行く… 「ミカ…ミカァ!!!!!」 ミカのカプセルを胸に抱きしめて僕は悲しみに暮れた…
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加