ムギュッ!!!

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ムギュッ!!!

「そうかぁ…!!!うん!!!仕方ない!!! じゃあ色々と準備して出かけよう!!! ただ…僕も学校を何日も休む訳にもいかない… 二、三日で解決しない場合は一旦戻って来て、 また休日に探しに行こうと思う!!! …それで良いかな…⁉︎」 「うん!!! 本当なら…ミカが一人で探さなきゃいけないのに 純くんが一緒に探してくれるなんて… ミカ…本当に優しい純くんが彼氏になってくれて嬉しいよ…ありがとう!!!」 そう言って彼女はまた僕の胸に飛び込んで身体をギュッと抱きしめてきた… …ムギュッ… …い、今のムギュッ…は…!!! 「ミカ…純くんがだーいすき!!!」 と、とにかく…準備をしなきゃ!!! ハンカチ、ティッシュ、スマホ、財布、家の鍵… 人間界には必要だが、あちらの世界ではほぼほぼ役に立たないものをリュックに入れているような気がする。 仕方ない…僕は普通の…いや、どちらかというと頼りない高校生だ… さて、後は買いに行こうかな…? 僕はミカちゃんとホームセンターに向かった… コンパス、軍手、懐中電灯、非常食や水のペットボトルなども買った。 そうだ…念のためにアレも買っておこう… ミカちゃんがスポーツ用品のコーナーで僕が買ったモノを珍しそうに見てきた… 「ねぇ…純くん…それは一体なぁに…?」 「うん…一応…護身用に…ね。」 帰りに昨日のケーキ屋さんの前を通ると… またミカちゃんの目はクッキーに釘付けになった… 「ねぇ…純くん…クッキー…」 「えっ!!!き、昨日買ったのは…」 「ミカ…大好物だから…全部食べちゃった!!!」 「し、仕方ないなぁ…いいよ…!!!」 「わーい!!!ミカ…これを持って行くね…」 ミカちゃん… 何をしに行くかホントに分かってる…? 部屋に戻った僕達はいよいよ異世界へ… ミカちゃんが住む世界へと旅立つ… 「じゃあ…行こうか…」 ミカちゃんは大きく頷いてカプセルを開ける… 緑色の光に包まれて僕達はクレアさんの家の物置へと飛んだ… ドアを開けると…家の中はめちゃくちゃ… 家財道具は棚から落ちたり、お皿やカップなどは粉々に割れてそこら中に散乱していた… ミカちゃんは僕の腕にギュッとしがみついて… 「純くん…怖いよ…」 昨日の出来事が彼女の中に蘇ってきたようだ… 「大丈夫…僕達でクレアさんを見つけ出して、またここで三人で夕食を食べようよ… クレアさんのあのスープ…美味しかったなぁ…」 そう言ってニコッと笑うとミカちゃんも… 「そうだね…こんな時に私がしっかりしなきゃ… ありがとう…純くん…」 二人で微笑み合って…一緒に外の世界への扉のノブに手をかけた… 「行こう!!!ミカちゃん…」 「うん!!!」 二人でドアを開けて… いよいよ異世界の国へと僕達の冒険が始まった…
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