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「二人が…作り出された生命…」 「そうじゃ。たとえそれでもわらわは嬉しかった。また姉様に会えることが純粋にな…しかし天魔はその守護神の秘密をも知ってしまったのじゃ。わらわは二つのカプセルを異世界に送り込んだ。天魔に悪用されぬようにだ。 「それが…僕が拾った…」 「そうじゃ。ミカ殿のカプセルじゃ。最初にそなたに王宮で謁見した時、守護神はテラ殿だと思ったのでそなた自体をレックだとも思わなかった。クーファ殿から真実を聞くまではな… 武闘大会もジークが襲って来た時も…わらわは世界樹の若木を守らねばならないという勤めがあったため…そなた達の闘いを見る事は叶わなかった… しかし…ロークとの闘いで覚醒したミカ殿とリーエルを見た時…一目で姉様達と分かった…涙が溢れてきたのじゃ… 「でも……どうして…僕がカプセルを拾う事が出来たのでしょう…他の誰かが拾っていたかも… 「確かに…天魔はわらわが異世界にカプセルを送り込むのを知っていてリーエルのカプセルを奪ったのかもしれん。 だが、そなたがミカ殿と出会ったのは偶然ではない。はるか時空を超えて遺伝子から愛し合う二人が引き寄せたのだとわらわは思う。 そなたが言うように…もし…他の誰かが拾っていても巡り巡って必ずそなたと巡り逢う… それが運命なのじゃ…」 僕とミカの運命…」 「ミカ殿もリーエルも自然界には存在しない音叉の周波数(パルス)で姉様達の神格と能力が目覚めるようになっている。わらわはもう転生が不可能なふたりに紋章を与えた… 故に紋章の力が加わって、強大な力が使えるようになるのじゃ。 だがな、純よ。そなたとミカ殿、そして信長とリーエルに決定的に違うところがあるぞよ。」 「はい…分かります…確かに感じるのです… 言葉では違くて…言うと安っぽいですけど…絆のようなものがハッキリと…」 「そうじゃ、純。わらわはそなたと今世で会うまでは自分の使命感でローク…天魔を倒すことだけを生きがいにしてきた。 しかし、今は違うのじゃ… 魔王と呼ばれようと自分の意志を曲げず、愛する者達を守りぬく…以前、純がわらわに進言してくれた時…嬉しくてな… わらわが昔、感じたレック殿の偉大さやその愛に…ミカ殿はもちろん、テラ殿、リン殿、そして我が娘のような存在のアリスまでもがそなたの(とりこ)になっておる。 そなたの師クーファも、かつての敵ジークもそなたを心から信頼しておる。 わらわはもう一人ではない…きっと天魔の野望を打ち砕く事が出来ると確信しておる。ミカ殿の傷はこの世界樹がきっと癒してくれようぞ。 頼んだぞ、純。この世界を再び救ってくれ。そしてそなたの愛する者を守って欲しいのじゃ。」 「はい…もう一度…この手で愛すべき人々とこの素晴らしい世界を守ってみせます… また世界樹が大木に育ち…皆がその元へと集えるような世界を…」 女王様は僕を見つめて…そして深く頷かれた…
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