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おかえりとただいま
切り札の守護神…リーエルを得たロークはもう怖いものはないと…ここぞとばかりに神出鬼没に三国に現れて破壊活動をした…
一点に攻撃を集中するのではなく双方の戦力を分散してロークが変身した信長とリーエルが大ダメージを与えるという戦法を繰り返した。
長い闘いにグランアンジェ、エルドラ、オーケアノス…三国共に国全体に疲れが見え始めた。
そして民意とは時に残酷なもので、ロークが三国を支配しそうであるという噂が流れるとソリュー国民の中にローク待望論が生まれ始めた。
ミカを失って天魔ことロークに対抗する術を失った僕は…
女王様とクーファ先生にミカのカプセルに寄り添うように言われて…もう十日程が経っている…
今日も世界樹の若木と共に泉の水面を見つめていた…
そしてある時…突然…
キュンキュンキュンキュンキュンキュンキュンキュン…
カプセルからミカが呼んでいる音が鳴り響いた…
「ミ…ミカ…!!!」
僕は泉に両手を浸してカプセルを取り出す…
ミカのカプセルは…いつの間にか世界樹と同じ緑色になって輝いていた…僕は迷わずカプセルを開ける…
ボワンッ…
僕の前に可愛い彼女がカプセルから飛び出した…!!!
「ただいま〜純くん…!!!」とろけるような最高の笑顔で…ミカが僕の身体を抱きしめる…
「おかえりなさい…ミカ…!!!」
僕は涙を浮かべながら呟く。
僕達は口づけを交わしてお互いを見つめ合う。
そして…ずっと心配して下さっていた…女王様、アリスさん、テラとリン、クーファ先生、ルーニーさん達にミカの復活の挨拶をした。
僕達はロークに対抗する作戦を立てる…
「まずは…ヤツらの動きを見極めないとな…」
「先生…ロークは手薄な国を見極めて…そこをほぼ単騎で攻撃してきています。兵士の配置が多い国は睨み合いをして引き揚げているようです。
でも…それを逆手に取れば襲ってくる場所を限定するのは簡単な事だと思います…」
「なるほど…」
「僕に任せてください…
次の闘いがヤツとの最終決戦になります…」
僕達はグランアンジェの防衛をわざと手薄にし、ロークの襲撃に備えた…
そして数日後、やはりロークは単騎に近い状態でグランアンジェに攻め入った…
「はっはっはっ…!!!今日はもう王宮を取り壊してしまおうかのう?リーエルよ。」リーエルは操り人形のように黙ってただ頷いた。
「ローク…いや信長よ…もうやめろ…!!!」
「何じゃ…またお主か…!!!もう勝負はついたであろう。こちらの世界を征服したら…次は異世界を掌握してやるから向こうで待っておれ。」
「そんなことは絶対にさせない…!!!
悲しい想いをする人をこれ以上増やしてたまるか…!!!」
僕は緑色のカプセルを開けた…
…ボワンッ…
中からミカが飛び出す…
ミカは僕の腕にしがみついて…
「もう…お前なんかにやられないよ〜!!!
アッカン…ベ〜…!!!」と舌を出した…
ロークは信長に姿を変えた…
「もうよいわ…お前とヘナチョコ守護神に構っているヒマはないわ…今日こそグランアンジェを滅ぼしてやるわ…」
「ムッカ〜!!!ミカ、ヘナチョコじゃないもん…!!!
…フンだ…!!!」
ミカ…まともに相手にしちゃダメだよ…
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