僕の学校にトイレの花子さんみたいな幽霊がいる

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今から、500年ほど前である。その昔、一人の巫女がいた。ある村が、疫病や悪霊に、村人が苦しめられているのを、巫女は、不思議な力で村を救ったのだそうだ。だが、ある村人の一人が、そいつは化け物だと恐れられてしまい、巫女が普通の人間ではないことを気味悪がられてしまい、良くない噂が広がってしまった。巫女は、村人達に裏切られ、そして、焼死してしまった。その遺骨が、ある高校の、桜の木の下に埋められている。 ※※※ 夜風が吹く中、一人の少女が、一つの桜を見上げて、笑う。 「くっくっく、もうすぐだ。もうすぐ【あいつ】に会える・・・。楽しみだぞ・・・。」 第1話 デアイ 「!?」 僕は、目を開いてベッドから、起き上がる。何故だか、夢をみていた気がする。一体、何だったのかすぐに、忘れてしまった。だが、僕は、自身の右腕が痛んでいることに気づいた。 「痛っ!?・・・またか。」 見れば、腕に痣がくっきり残っている。強く握り締められており、痛々しく残っている。僕には、霊感がある。幼少の頃、初めて家で、幽霊を視てから、色々と被害にあった。 腕を擦りながら、そんなことを思っていた時、いきなり声がかかる。 「渡ー!!そろそろ学校に行く時間よ、早く降りてらっしゃい!!」 母さんの声が階段下から聞こえる。 それを、僕は、返事を返す。 「今行くよー!!」 僕は急いで、着替えて準備する。そして、階段を下りた。 「おはよう、渡。」 「おはようさん、渡。」 「おはよう、父さん、じっちゃん、母さん。」 「はい、おはよう。」 食卓を囲んで食事をするのは、僕は一番好きだ。僕も、席に着いて、朝食を食べる。僕の名前は、早川渡。お父さんの名前が、早川卓郎。じっちゃんの名前が早川源一郎。母さんの名前が、早川留美である。途中、じっちゃんから僕に話しかける。 「所で、渡。最近、お前さん何か学校で不穏な事があったか?」 「・・・最近嫌な事故が起こってるかな。」 僕の学校で不可解な事故が、3件ほど多発している。そのうちのほとんどが女子。階段から誰かに押され右足を骨折。理科室の実験で爆発事故、そのうちの女子生徒が、フラスコの破片が飛び散り、左目に当たる事故。体育館の照明落下事故で一人の女子生徒が、頭を強打して、重症。 「そうか、気をつけなさい。何か今日は嫌な感じがするから。」 「分かったよ、気をつけるよ。」 だから、僕もじっちゃんと同じく不安なのだ。 ※※※ 家を出て、バスで20分に学校に着く。頬杖を付きながら窓を眺めるとやはり霊が立っている。目が合えば、ついてくるのだ。僕は目を合わさず、だから、何時も風景を眺めている。万が一、視てしまったら、自分から先に目を逸らしている様にしている。 ※※※ バスから降りて、学校まで徒歩で歩く。 クラスに入って、自分の席に座り、一息つく。 「おはよう渡。」 「薫か、おはよう。」 幼馴染みの堀川薫。小さい頃からの、僕の幼馴染みである。 「あのさ、明日の放課後に、本屋さん行かない?私、渡が言ってた面白い本さ、買いたいし。」 「うん、いいよ。行こっか。」 「ありがとう!」 嬉しそうに微笑む薫。優しくて明るい性格の彼女。彼女のお蔭で此処に僕がいるから、本当に感謝している。 何時もの様に、チャイムが鳴ってHR が始まると思いきや、嫌な予感がした。 「きゃあああああ!!!誰か、誰か来てぇぇぇぇぇ!!!」 予感が的中した。悲鳴があった方に、生徒達がざわめき出す。 「どうしたの!?」 「早く救急車を呼んで!!」 僕も薫も一緒になって現場まで駆けつける。そこで、見たのは凄まじい光景だった。 一人の女子生徒が、頭から血を流し倒れていた。側には、パンジーの花が植えられていた茶色の鉢が、無造作に散りばめれていた。 一時は騒然となった。女子生徒は、救急車に運びこまれた。 それから、現場関係者以外は、平常通り授業を行った。1日は、あっという間に過ぎた。 「まさか、また事故が起きるだなんて、思いもしなかったよね。」 「ああ、そうだよね。」 「渡、もし何かしら私に被害が来たら、その時は、私を守ってよね!!」 「でも、僕は薫の方が強いと思うんだけどな・・・。」 「渡だから、守って欲しいのよ!!」 「?」 「・・・鈍感すぎるわ・・・。」 真っ赤な顔で、僕を見て怒ったり、溜め息を吐いたり、忙しいなぁと思った。最後の言葉は小さくて聞こえなかったけど。 「嘘だよ、守ってあげるよ。」 そう、僕は言った。 「!?・・・あ、あ、私、用事思い出した!!それじゃあ、またね渡!!」 「うん、またね。」 真っ赤な顔で薫は、手を振って、急いで、行ってしまった。僕も手を振って、薫の後ろ姿を見たとき、僕は驚き、目を見開いた。 「!?」 薫の後ろ姿から、邪悪な気が発していた。 「さっきまでは何も感じなかったのに、薫に明日聞いてみるか。」 だが、僕は、うっかりしてしまった。 「課題のプリント忘れてた・・・。」 夜、また学校に行かなきゃならないといけないとはついてない。 「幽霊の溜まり場じゃんか此処・・・。」 そして、夜の8時。とほほと、思いながら学校に入る。外は、真っ暗で懐中電灯を照らすのが、精一杯であった。玄関の扉は、基本的には開いている。不審者が来ても可笑しくはないが、防犯カメラがついているので、部外者が入れば、防犯ブザーが鳴るそうだ。まずは、自信のいるクラスに入って、プリントを取った。だけど、何かが可笑しかった。この時間帯は、必ず警備員が見廻りに来るはず何だが、今日は来ていない。足音が1つもしない。だけど、それよりも気になる物があった。クラスの時計である。左側の端に着けてあるが、よく視ると。 「0時00分?さっきまでは、8時だったのに。」 すると、次の瞬間、時計の針が、逆戻りになり回り続ける。 「!?」 このままじゃ危険だと脳に伝達が来る。僕は、来た道を戻ろうとするが、ヒタヒタヒタヒタと足音が聞こえる。僕は、すぐに霊達がいるのを察知してすぐに、教室を出て、走って逃げる。それを霊達が許さなく、追いかけて来る。僕は、ひたすら逃げ続ける。どんどん数が増える霊達、捕まるとあの世行きだ。数分後、たどり着いた場所は、理科室であった。理科室には、第1理科室、第2理科室と分かれているが、第1理科室の方は、事件があった場所なので、正直行きたくなかった。僕は、第2理科室を選んだ。あまり、使われていなく、室内は、埃が被っている状態であった。灯りを着けて周りを見渡す。すると、窓に誰かが立っていた。背を向けられ、顔が見えない。よく見ると、背が小さく、女の子である。例えてみると・・・。 「トイレの花子さん・・・?」 「あれと一緒にするな、たわけ。」 「ご、ごめんなさい・・・。」 此方に振り向き、不機嫌な声で言われた。見た目通り、小学校三年生ぐらいか、おかっぱで赤のスカート、白のシャツを着ている。だが、花子?さんが目を見開き、語り出す。 「珍しい客人だが、お主、私が視えるのか?」 「一応、霊感あるんで視えますね、はい・・・。」 「500年待ったかいがあったぞ。くっくっくっくっあっはははは!!」 突然、笑いだした。 「改めて紹介しようぞ、童の名前は彩花だ。お主の名は?」 「早川渡です。」 「渡、童と契約しろ。」 「契約?」 「いい加減、此処と、桜の木の下にいるのも、つまらなくなってしまったものでな。外の世界を知りたいのだ。・・・それと、外にいるあの雑魚どももうざったいしな。」 くっくっくっくっ、と不適に笑う彩花さん。 「理科室でみてたが、この学校に起きている事件の深層も気になるし。」 「彩花さん気づいてたんですね。」 「タメ語で良いぞ。」 「うん、分かりま、分かりました。」 「くっくっく、では、始めるぞ。ちょっとしゃがめてくれるか渡。」 「うん、はい。」 僕は、背を屈んだ直後、彩花からキスをされた。 「!?」 「契約は終わったぞ。さて、行くか。」 「何処に?」 「屋上だ。」 そして、彩花から青い光が浮かび上がる。 「力が戻ってくるわ。」 ドアを開き、外に待ち構えている、霊達に言った。 「邪魔だ。」 腕を組みながら、冷静に一喝する。それを合図に、青い光が霊達に襲いかかり、そして、浄化されていく。 「ぼさっとしてないで行くぞ。」 「あ、うん!」 そして、無事に屋上に着いた訳だが、そこに、僕が知っている人物だった。 「薫・・・?」 「渡?」 周りの空気が邪悪で、どんよりしている。そして、薫の顔は、瞳に光が伴っていない。 「悪霊か。」 「悪霊?」 「おなごの隣にいるアイツを視えるだろう、現況はあれだ。アイツが、おなごを操っていたみたいだな。」 目を向けると、薫の隣に黒髪の血まみれの女が立っている。 「虐めがいのある、いじりやすい人種だな、くっくっくっくっ。」 不適に笑う彩花。 ニクイ ニクイ アノオンナドモガニクイ 「声が聞こえるんだけど、これは何?」 「あやつの憎悪の怨念だろう。だが、事の深層を解いてからだ。」 「薫、何で此処にいるんだ。こっちに来るんだ!!」 「私ね、今回の事件の犯人なんだ。」 「!?」 「ムカついたから、この人の力を借りて、やってもらったんだ。」 「あの4人には、犠牲にもらっただけだよ。」 「事件まで、かなりの距離があった筈なのに、薫が1人でやる何て不可能だよ!!」 「いや、トラップだ。」 「トラップ?」 「あやつ、相当な遣り手だな。1つ目の事件の解明だ。渡、童の言ってことを復唱しろ。おなごは、童の姿は見えないからな。」 「分かった!!」 薫が両手に中央に、現場再構築の場面が浮かび上がる。これも彩花の仕業なのだろう。 「第1の事件だが、女子生徒が階段から誰かに押され骨折されたとのことだが、あれは、必ず誰かが傍に居なければ出来ないことだ。あの幽霊がやったとしても、無力だ。」 「第1の事件だけど、女子生徒が階段から誰かに押され骨折されたとのことだが、あれは、必ず誰かが傍に居なければ出来ないことだよ。あの幽霊がやったとしても、無力だよ。」 「トラップはどうだ、糸を引けば、何かの障害物が、女子生徒の体に当たり転落というのは推理に値する。それが、おなごがやったとしても、女子生徒は倒れる瞬間、犯人を見ている筈だ。障害物は、ロープと、箱だな。」 「トラップはどうだ、糸を引けば、何かの障害物が、女子生徒の体に当たり転落というのは推理に値する。それが、薫がやったとしても、女子生徒は倒れる瞬間、犯人を見ている筈だ。障害物は、ロープと、箱だな。」 「!?・・・。」 薫が目を見開き、驚いている。 「第2の事件、第1理科室での爆発事故、あれは、おなごが調合して作った爆発薬だ。女子生徒の傍に置いて、フラスコに入れて、爆発する様に仕向けたのだ。」 「第2の事件、第1理科室での爆発事故、あれは、薫が調合して作った爆発薬だ。女子生徒の傍に置いて、フラスコに入れて、爆発する様に仕向けた。」 「第3の事件、あれは、照明のネジを切れかかっている物を選んで、針金で糸を引いて落下した。」 「第3の事件、あれは、照明のネジを切れかかっている物を選んで、針金で糸を引いて落下した。」 「・・・。」 薫の目付きが険しくなる。 「第4の事件、あれは、針金で固定した鉢をその縄でナイフで切って落下した物だ。自動的に落下する様におなごが仕向けた。つまり、ほとんどがおなごが仕向けた事件だ!!」 「第4の事件、あれは、針金で固定した鉢をその縄でナイフで切って落下した物だ。自動的に落下する様に薫が、仕向けた。つまり、ほとんどが薫が、仕向けた事件だ!!」 彩花が薫に指を指す。 薫はそれを聞いた後、俯きながら、そして肩を奮わせた後、突然笑い出した。 「あっはははは!!とんだ、名探偵さんがいたものだね!!」 そして、笑い終わったのか、無表情で淡々と、此方の顔を向け言った。 「凄いね、渡。正解だよ。いつから探偵になったの?まるで、傍に、誰かが見てるみたいだよ。」 「爪が甘い。殺るなら徹底的にしろ。」 「爪が甘いよ。」 「やっぱり?ふふふ、でも、お話は此処までだね。そろそろ決着着けようよ。」 薫が、ポケットからナイフを取り出して、襲いかかって来る。 「渡は、秘密を知りすぎたんだよ。だからね、死んでね!!」 「渡、助けたいか?おなごを。」 「ああ、助けたい!!」 「今は、悪霊にとりつかれて自身の意識がない屍状態だ。お主の大切な人だろう。だから、一緒に戦うぞ。念じよ、おなごを守りたいと!!」 「薫を、助けたい!!」 「上出来だ!!」 彩花の周りから、青玉の光が沢山集まり、やがて、青色の光が鎌に変わった。 青色の鎌。それを、彩花が僕に渡す。 「あの悪霊を倒して来い。」 「うん!!」 僕は、鎌をもっと悪霊に振り翳す。 「薫を返せ!!」 【ギャアアアアア!!!】 そして、悪霊は浄化された。 薫は、彩花が止めてくれたのか、倒れている。 「おなごが憑いていたのは、嫉妬の怨念だな。嫉妬に狂ってしまった女の念が、薫に憑いてしまったということだ。」 彩花が地面に浮かびながら言う。 だが、僕の方は、体力の方が限界であった。僕は、そこで、倒れてしまった。 ※※※ 僕は、ゆっくりと目を開いた。そして、起き上がり周りを見渡す。 「此処は、家か?」 「そうだぞ、渡。目が覚めたか。」 傍に、彩花が立っていた。 「どうやって僕を此処に運んだの?」 「ちょっと細工を使ってな、窓から入ったからな。真夜中だから、大丈夫だ。」 「・・・そうだったんだ。じゃあ、薫は?」 「童が家まで運んだぞ。家は、警察に何とか住所を聞いたから何とかなったぞ。」 えっへんと胸を張らして言う、彩花。 「ありがとう、彩花。」 「どういたしましてだな。」 にひひと笑う彩花。可愛いので頭を撫でてみた。ぽぽぽぽと湯気の様に、あわあわと慌てだした。顔が真っ赤になったが、・・・面白い。 「あ、今日は学校だったな。早いけど行ってみるか。」 「童も行くぞ!!」 着替えて、早めの朝食を取り、鞄を持って外へ出た。バスが今の時間帯はまだ来ないので、ゆっくりと歩いた。 ※※※ 「あ」 「あ」 そこに、靴を履き替える所だった薫がいた。 気まずそうに此方を見て、薫が言った。 「・・・お早う。」 「おはよ。」 「昨日は、ごめんね。私どうかしてた。あの4人から、私さ、虐められてたんだよね。渡に相談しようかと思ってたんだけど、手が早かったみたい。」 「薫。」 「何って痛い!?」 薫にデコピンをお見舞いした。 「此れでチャラだ。何かあったら僕に相談しろ。お前の性格は、溜め込み過ぎて、直ぐに手が出るからな。いいね?」 「うん、ありがとう・・・。」 薫はポロポロと涙を流した。 「やっぱり渡は、温かいや・・・。今度は、間違いないから。じゃあ、また後でね。」 「ああ。」 薫はそう言って行ってしまった。 「渡、お前天然たらしだな本当に。」 「え、どういう意味!?」 「やれやれ。」 「・・・彩花、君に1つ聞きたいことがある。君は、一体何物何だ?」 「童は、幽霊であり、そして、童はもう、500年前に死んでいる。」                                             
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