3607人が本棚に入れています
本棚に追加
「それはいかん。明日から出社してもらう」
「だから、俺は父さんの会社で働く気ないの」
「優梨がバイトなんて世間に知られたらどうするんだ。働きたいならうちで働きなさい。優醍が言ったように優梨が厳しくして欲しいなら遠慮をするなと社員に言い聞かせる」
「俺の話聞いてる? 父さんの一言があっても彼らは絶対気を遣うよ。それに明日からなんて無理に決まってるでしょ。俺は責任感を持ってカフェでバイトしてるの。辞めたいとも思わないし、あそこでもっといろんな世界を見てみたい」
「じゃあ来週まで猶予をやろう。気を遣われるのが嫌ならまずは父さんのサポートとして働いてもらう。経営を学ぶためにビジネススクールにも通ってもらう。余った時間で優梨が何しようと父さんたちは何も言わん。バイトも続けたいなら続けなさい。ただし、どちらの仕事も勉強もおろそかにしない事」
「それ、俺が辛いだけじゃん」
「じゃあ、すぐにカフェのバイト辞めてもらうしかないな」
「あのね」
「それに優梨が言うまで触れないでおこうと思っていたが、勝手に結婚したらしいじゃないか。しかも相手は不倫騒動まで起こして」
「結婚は俺の自由だろ。それに不倫はデマだと思うよ。葵は否定してたから」
最初のコメントを投稿しよう!