Ep.7 

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 彼の結婚を知り、私が問い詰めると白状した。彼女は私の存在を知っていた。彼の家に行けば一目瞭然だ。私の私物が溢れている。そして彼は、許して欲しい、結婚は仕方なかった、私との関係は続けたい、週に1回は必ず会うからと言った。  結婚したくせに、こんなことを言う男はクズだと思った。すぐに気持ちが無くなったわけではない。心の中に渦巻くありとあらゆる感情を抑え、私は彼を遠ざけた。  それでも彼は私に連絡をしてきた。愛しているや今すぐ抱きたいなど結婚した男が言うセリフではない言葉をつらつら書いていた。奥さんとはもうやっていないと言っていたが妊娠中の女性相手なら普通にあることじゃないのか。それでレスを主張されても吐き気しかしてこない。  奥さんが臨月で実家に帰っている間に彼は私の家を何度も尋ねてきた。何度も来られるので困り果てた私は彼と話しをすることにした。お店を彼に決めさせたのが失敗だった。  指定された場所は個室の薄暗いレストランだったのだ。
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