Ep.7 

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「私の考えが甘かったことは反省します。妻がいる人とどんな事情であれ、個室で会い、キスを許してしまいました。でも、はっきり言います。私は浮気された身です。裏切られ、奪われた挙句に仕事まで失いました。誰も私の話なんて聞いてくれませんでした。お金って、権力って、それだけ強いんです。秘書の方もお金と権力で優梨君を連れ戻そうとしました。また同じことをするのかと嫌になりました。ですから少し言葉が荒くなりましたが、復讐するつもりはありませんし、お金目当てでもありません。先ほど申し上げた通り、優梨君を自由にしていただければそれで結構です」 「俺は葵を信じる。父さんたちが信じないならこの家の敷居を一生またがない。一生会わない。何をされても俺が葵と葵の家族を守る」 「優梨……」  お母さんは言葉を失ったように黙った。
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