Ep.7 

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「分かった。そこまで言うなら、条件を変えよう。今日から3ヶ月、優梨はこの家で暮らしてもらう。門限付きだ。アルバイトは週1回。沢木さんと会うのはその1日だけ。優梨はその間に勉強しながら私のサポートとして働くこと。3ヶ月後、優梨が会社に入るかどうかは自由だ。入らなくても私は何も言わない。そして、二人の結婚についてはその時に再度判断する。沢木さん、一連の事、申し訳なかった。調べもせず、報告を鵜吞みにした私達が悪かった。ただ、これから調査をさせて欲しい。君の言う事が正しいのかどうか、専門家に依頼する」 「もう過去の事です。お調べになっても真実は明らかにならないと思いますが、調査されたければどうぞ調査してください」 「明らかにならなくても、少しはあなたの事が分かるでしょうから、調べさせていただきます」 「そんな必要ないよ」 「優梨がしっかりしていればこんな事はしなくて済んだんだ。優梨も大人になったんだろう。少しは分かるんじゃないか。何かあれば優梨だけではなく家族に影響するだ」 「でも」 「優梨、私は大丈夫だから」  優梨は黙ったままうつむいた。 「これ以上の条件変更はなしだ」  お父さんはそう言って席を立った。
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