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自分だってさっきから真子とハイタッチしたり、ボディータッチされたりしているじゃないか。私の場合は不慮の事故で意図的なんかじゃないのに。
「すみません」
「いえいえ、これくらいならいつでも」
シェフの笑顔が眩しい。ガタイも良く、背も高く、守ってもらいたくなるような男性だ。何故シェフが独り身なのか不思議なくらいのいい男だ。もし、私が過去に恋愛で嫌な思いをしていなければ、優梨に会っていなければ、きっと恋をしていたであろうタイプの人だ。
「ありがとうございます」
「葵ちゃんと大輝さんは2人で休んだら。葵ちゃんもう体力限界でしょ」
確かに優梨のお陰でここ最近休みなしのシフトで疲れ切ってはいるが、体力の限界と言われるとなんだか複雑な気持ちになる。でも真子がそう言ったのはきっと優梨と二人で遊びたいからだろう。本当に真子は優梨のことが好きなのだろうか。
「ちょっと休みましょうか」
シェフにも言われ私は砂浜に移動した。
「Tシャツ濡れてしまいましたね。どっかで乾かしましょう」
なるべく濡れないようにと浅瀬で遊んでいたが、さっきの転倒で水しぶきがかかった部分が濡れている。シェフに抱きかかえられた部分も濡れてしまった。
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