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とりあえず、私を勢いよく連れ去った理由は私の醜い二の腕を隠すためになっていたようだ。違和感を抱いていたとしても二人はそれ以上ツッコんでこないようなので、私は話しを逸らすことにした。
「何話してたの?」
「好きなタイプ」
真子が優梨に絡めた腕を更にぎゅっとしながら言った。好きなタイプを話しながらくっついて楽しそうにしているってそれ、明らかにアプローチされてるよね。
優梨はなんで笑顔なのだろうか。
「大輝さんのタイプは大人な女性で、優しい人なんだって。で、私はイケメンで人懐っこいちょっとドジな人」
それは優梨が好きだって言っているようなもんだよね。しかも最後優梨を見て言っている。
「今は優梨君の好きなタイプ聞こうとしてたの」
「そっか」
「優梨君は可愛い人と綺麗な人どっちが好き?」
「どっちも好き」
「じゃあ、年下と年上は」
「どっちも好き」
そこは年上と言って欲しいが、明らかに私を見ながら悪戯な笑顔を見せているのでわざとだろう。
「え~何かないの? こういう人が好きとか」
「積極的な人かな。あと素直な人」
私とは正反対だ。受け身だし、素直じゃないし。
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