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「え~私、積極的だし、素直だよ」
「そうなの?」
優梨は真子を見ながら笑顔で言った。
こう見ると真子の胸は普通に大きい。くびれた腰、引き締まったお尻、引き締まった腕に華奢な脚、そして綺麗な顔。
勝ち目はない。
「葵、どう思う?」
私にどう思うなんて聞いて何を言わせたいんだろうか。
「優梨が決める事でしょ」
「そっか。俺は真子ちゃんありかも」
さっき人にあんなことしておいて何を言っているのだろうか。でもそうか。私達ってちゃんとした恋人でもなければ夫婦でもない。ちゃんと愛し合ったはずの夫婦でさえ裏切る行為をする。
こんなに堂々と浮気宣言をされるのもどうかと思うが、私には何も言えない。
「いいんじゃない。私、ちょっとお手洗いに」
私はその場を去った。あからさまなタイミングでも優梨は追いかけては来ない。
怒っているのに怒っているとは言えない。だって怒っているって変じゃないか。私達はまだ正式に認められた夫婦じゃないし、お互いの思いを確認し合っていない。ただ、紙切れ一枚を提出したことで法律上の夫婦になり、体の関係があるだけだ。
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