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いつも出勤している時はスーツだ。お店で着替えるのだからスーツ以外でもいいのだが、スーツ以外の服をあまり持っていないのでスーツにしている。
そういえば私服でデート用に買った服って何年前だろう。いい物を買うため流行に流されないが、せっかくのデートなら久々に服を買ってもいいかもしれない。
「分かった。あまり期待はしないで」
「もちろん期待するよ。じゃあ、楽しみにしてるね」
優梨は元気よく電話を切った。期待するのか。
私は若作りしすぎない程度服を選んだ。ピンクベージュがベースのシフォン素材でウエストやや上に絞りが入ったワンピース。これでも若作りだろうか。いやいや、今年はまだ熱い。このくらいの方がいいだろう。
ピアスは月と星をイメージした揺れるものを選んだ。鞄は小さめのブランドバック。
張り切りすぎただろうか。ピアスはケースに入れて鞄にしまい、ロッカーに入れてカギを閉めた。優梨が早めに来ることは分かっていたのでそれより早く来て全てを隠して仕事を始めた。
「今日は早いね。もしかして眠れなかった? 俺も」
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