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「だって、ご飯食べるだけで時間が過ぎるじゃん」
何を言っているんだこの子は。そういう風に優雅に食べるのがコース料理の醍醐味だ。
「ご飯はやっぱりファーストフードの方が良かったね。イチャイチャする時間が作れない」
「せっかくのご飯だし、こうやって優梨とゆっくり食べられるのは嬉しいよ。こんな豪華じゃなくていいけど」
とは言いながらも、イチャイチャしたいという優梨の思いが嬉しく顔が緩んでしまう。こんな私と結婚してくれて、体を重ね合わせても未だにイチャイチャしたいとも思ってくれる貴重な存在かもしれないのだから。
「葵は俺とイチャイチャしたくないの?」
何と可愛い質問だろうか。本当に女の子みたいだ。
「勉強ははかどってる?」
「あ、話し逸らした」
「なんのこと?」
「白々しい。そんな大人には罰を与えないとね」
優梨は個室をいいことに、私の所に来て、私にキスをした。私も抵抗することなく、甘い罰を受け入れた。
「今日は素直だね」
海といい、今日といい最近は優梨のかっこいい所を見せつけられている。
優梨に惹かれているのは嫌でも分かる。
優梨があの花園家でなければ私はとっくに恋をしていただろう。
私達はこれからどうなっていくのだろうか。
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