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恋なんかしないと決めていたのに、優梨の押しに負けて、彼のペースに巻き込まれ、いつの間にか心を許してしまった罰だ。一層このまま優梨と会わずに心を取り戻したい。
そう思っていた私は、優梨と同じシフトの日を月1回に減らした。新しいバイトの子も入ったことだし、私は新人君と同じシフトの方が最初は何かと都合がいいからなどと言い聞かせ、優梨に新しいシフト表を送った。するとすぐに電話がかかってきた。
「あのさ、何これ?」
「ごめん。シフトギリギリになって。日にちまずかった?」
「そうじゃなくて、これだと俺たち一緒に働くの1日しかないじゃん」
「おあ、なんか新しい子のシフト考えてたらそうなっちゃって」
「その子そんなに葵のタイプなの?」
「は? 何言ってるの?」
「真子から聞いた。凄いイケメンらしいね。葵の鼻の下伸びきってたって」
いや、イケメンはなかなか応募してくれないし、彼はキリっとしたイケメンのわりに、脱毛に行くほど美容に興味があって即採用ができる貴重な存在だったからで決して好みというわけではない。
「それは勘違いだよ。私、元々年下興味ないし」
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