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「そうだよね。葵は俺にも興味ないし」
「そんなことは言ってないでしょ」
「じゃあ興味あるの? 俺の事好きなの?」
いきなりなんだこの攻撃。最近私に冷たいくせに。
「とにかく、シフトはみんなの事情を踏まえて決めてるの。それに優梨が週一回しか働けないのが悪いんじゃない」
「それは……そうだけど」
「私、まだ仕事残ってるから切っていい?」
「分かった。お休み」
優梨ならもっとごねると思っていた。
あっさり電話を切られて、私は何故か傷ついた。
バカだ。傷つくぐらいなら、もうちょっと可愛く話せばよかったのに。なんでだろう。今までのようにズバズバと気になることを聞けなくなったのは。
自業自得だが、あれから優梨からの連絡はなく、カフェで会う事もない。
どうせ、駄々をこねられるだろうと思って時間を気にせず会いに行けるようにと優梨の出勤日は休日にしていたが、その必要はなかった。私は意地を張り、家に籠った。
可愛くないのは自分でも良く分かっている。でも怖い。
会いたいと言ったとして、私が会いに行ったとして、優梨から素っ気ない態度を取られたら? 優梨が実は他の女性と会っていたら?
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