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「優梨はミスしてたの？」
「ああ、大したことじゃないけど、ポイントカード差し出されても何もしないまま返したり、料理を違うテーブルに運んだり、テイクアウトの飲み物作り忘れたり、本当いつも以上にミスってた」
最近の優梨はほとんどミスをしなくなった。その優梨がミスをするとは、昨日私が連絡しなかったせいなのだろうか。
「なんか勉強が大変だって言ってた。優梨君ってまた学校通ってるみたいだね」
ああ、私のせいではなく、お勉強が忙しかったのか。期待して損したって私は何を期待しているのだろうか。
「そっか。あまり増えるようだったら話しするから教えてね」
「うん。それより今日は葵ちゃんがミスしないように気を付けてね」
心配されている。
私はいつも以上に気を付けて仕事をした。仕事モードの私は早々ミスをしない。我ながら感心する。
「良かった～。葵ちゃんはやっぱり社会人だね」
閉店すると真子が安心したように私に言った。社会人のハードルを上げてしまったようだ。社会人でもミスはするよと心の中でつぶやいた。
私は家に帰り、シャワーを浴びて、ソファーに座り、ビールを1本飲み、思い切って電話をかけた。
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