Ep.10

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 アルコールを使うところが私はまだ弱い。  6コール目が鳴ったところで私は電話を切った。ほっとしたような、寂しいような。2本目のビールを飲み始めた。お酒に逃げるなんて本当に私は弱い。  暫くするとローテーブルに置いていたスマホが鳴りだした。ビールを持ったまま、あたふたし、多少ビールをこぼしながらなんとか電話に出た。 「もしもし、電話出れなくてごめん。なんか用?」  なんか用って……用が無いとかけちゃダメなんですかなんてセリフが頭をかすめる。 「えっと、昨日疲れてたって聞いたから大丈夫かなって。もし、勉強大変ならシフト減らす?」  何を言っているんだ私は。単に心配してることを伝えれば十分なのに、シフトを減らすとか余計な事を。 「ああ、昨日ミスしたの真子から聞いた? ごめん。でも今度から気を付ける。ポイント始まったばかりでなんか慣れなくて」 「そうだよね。慣れていけば優梨なら大丈夫だと思ってるから」 「ありがとう」 「……」  何を言えばいいのか、なんと言えばいいのか分からず沈黙が流れた。 「それだけ?」 「あ、うん。忙しいならいいの。勉強頑張ってね」 「待って!」  私が電話を切ろうとすると優梨が叫んだので耳がツーンとした。
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