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「でも、素直になったら、優梨から連絡してこなくなったじゃん。この間一緒のシフトだった時だって一人で帰っちゃうし」
ああ、私拗ねてる。拗ねてるんだ。優梨に相手して欲しくて。
「それは色々忙しくて……ってもしかしてそれでシフト別々にしたの?」
「それは……」
「ヤバイ。今すぐそっちに行きたい」
「来なくていい」
「なんで? 今顔真っ赤でしょ?」
「なんで分かるのよ」
「真っ赤なんだ。ああ、もう早く帰りたい」
「帰ってきてくるの?」
「当たり前じゃん。そのために今頑張っているんだから。それに葵にとっておきのプレゼントを用意してるから楽しみにしててね」
「プレゼント?」
ここに帰ってきたいと思ってくれていることも嬉しいが、プレゼントって何だろう。そういえば婚約指輪も結婚指輪もないから、結婚指輪だろうか。
「不思議だな。離れてるのにやっと葵の隣にいるような気がする」
「私と真逆じゃん」
「葵は俺と会いたいと思ってるんでしょ?」
「それは……」
「俺は葵に会いたいと思ってるよ。二人でまた毎日ご飯食べたいと思ってる。葵もそう思ってるんでしょ?」
「……うん」
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