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って私、何ドツボにハマりまくってんの?
せっかく一人になって、優梨と適度な距離を保とうとしていたのに、会わずして距離を詰めまくっているじゃないか。でも、今までに感じた事のないこの高揚感。優梨には勝てそうにない。
「ど、どうしましたか? 豆腐ハンバーグそんなに硬かったですか?」
休憩に入り、私は一人で昨日までの事を反省していた。たまたまフォークでハンバーグに思いっきり突き刺しているところをシェフに見られたのだ。
「いいえ。ちょうどいい硬さです」
「それは良かったです」
「野風さんも休憩ですか? 一緒になるの珍しいですね」
「本当ですね。僕は避けられているのかと思っていましたよ」
「避ける? なんでですか?」
シェフは私の顔をじっと見ているが見られたところで何も浮かばない。
「あの、沢木さん。今度の休みよろしければ美味しい物食べに行きませんか?」
シェフは真面目だ。休みを使って他店の視察とは。
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