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「あはは。まあ、確かに俺に頼ってたらまずいよね。俺もその日いければいいんだけど、その日は父さんについてかなきゃいけないんだよね」
「ああ、来て欲しくて言ってるんじゃなくて、変な誤解されてまたこじれると嫌だから言ってるだけ」
「なにその可愛くない理由」
「可愛くないってわざわざ言わなくて良くない?」
「可愛くない」
「はいはい」
「可愛くない」
「どうせ私は可愛くないですよ」
「俺に可愛いって言わせてよ」
「何それ」
「なんかさ、葵って大人だよね。可愛いって思ってもらおうなんて思ってもいないって言うか、逆に言われないように線引いてるって言うか、とにかくお酒飲んだ時の素の葵がいいのにそれ全然出してこないからさ」
「まあ、大人だし、私がぶりっ子したらキモイでしょ」
「いや、むしろありだから。あっでも大輝さんにはしなくていい。完璧な葵で接する事。いい?」
「言われなくても仕事だし」
「仕事じゃなかったら可愛い所大輝さんに見せるの?」
「シェフは関係ないでしょ。見せたところでキモってしか思われないよ」
「ある意味、葵が可愛くなくて助かった」
何が助かったのだろうか。喧嘩を売られたような気がするが、あまり長引かせるとこじれそうなのでそれで話を終えた。
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