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「葵って考えてることあんま言わないんでしょ？ どうせ俺が葵のいた会社に入ること自分のせいだとか思ってんでしょ。まあ、当たりだけど。葵が誤解されたままでなんか嫌だったんだよね。それにのうのうといい給料もらって出世しているあいつもムカついたし。俺があの会社で一目置かれてさ、んで実は奥さん葵ですとかってすごいインパクトじゃない？ んであの噂の真相を語る。葵へのいいプレゼントだと思ってたのにな。父さんはそのまま社長にさせようとしているみたいだけど」
プレゼントは指輪ではなくそういう事だったのか。まあ、私達の結婚が認められていないのだから当然といえば当然か。
「お父さん、喜んでたよ。優梨が社長になるって言ってた事」
「だろうね。でもそうでも言わなきゃあの会社に侵入できないでしょ」
「優梨。優梨が私と出会わなかったら何したかった？」
「う～ん。葵を探したんじゃない？」
嬉しい。嘘でもそんなこと言ってくれるのがこんなに嬉しいなんて知らなかった。でも、その優しさに流されてはいけない。
「そうじゃなくて、私は優梨の夢を聞きたいの。自由になって何をしたかったか」
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