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「あんまり考えてなかった。家から出る事、家を継がないこと、それさえできればいいなって」
「個展開きたいとかなかったの？」
「そうだね。まあ、なくはないけど、デジタル個展開いてるからそれは叶ってるって言えば叶ってるんだよね」
「デジタル個展？」
「うん。わずかだけど広告収入も入るし、絵のオーダーも入るし、細々と絵でも稼いでる。まあ、生活できるくらいにはなってないけど」
優梨は家を出て自分ができることを考えていたらしい。デジタル個展はSNSで知り合った仲間と作ったサイトだとか。優梨が朝早くに出ていたのは朝活だったようで、たまに仲間たちと打合せをしていたらしい。
「だから実は会社経営に関する勉強は役に立つんだよね。最初はよく分かんなかったけど、自分が絵を売る時とかカフェで商売する事とか考えてたら意外と勉強楽しかった。それに俺が実力着けてあいつをギャフンと言わせるのはスカッとするだろうなって思ったら勉強に身が入った。今の俺じゃあただの親が金持ちのニートだから」
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