3607人が本棚に入れています
本棚に追加
/309ページ
お寿司を前にダイニングテーブルに3人で座ると優梨は体を揺らしながらニコニコして言った。
「うん。見る見る」
「葵、棒読み。もっと感情込めて」
優梨が頬を膨らましながらちょっと低めの声で言った。
昨日今日とあまり食べてなくて大泣きしたせいかこっちはお腹が空いて死にそうだとは恥ずかしすぎて言えない。
「わぁ~どんなものかな~見たい早く見たいよ~」
精一杯可愛い子を演じてみた。
「キッモ」
人にやらせておいてキモイとはなんだ!
だが、そんな怒りは一瞬で収まった。
「簡単な絵だからまだ雑だけど」
書かれていたのは鉛筆画で書かれたような私の笑顔の肖像画だった。
母がちょっかい出していたのは綺麗に描きすぎと言っていたのだろう。私よりも何十倍も綺麗だが、私の特徴が押さえられている。
「ありがとう。嬉しい」
優梨は私の言葉に満面の笑みを浮かべた。一日遅れの優梨の誕生日を祝い、母を私の部屋に寝せ、私は優梨と二人で優梨の部屋に寝る事になった。
「プレゼント、本当にありがとう」
「喜んでもらえてよかった」
ベッドの上で横になり二人で話をしていた。
最初のコメントを投稿しよう!