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こんなに人生を変えてまで私の為にしてくれている優梨から好きの一言が無いだけで不安に苛まれる。もしかしたら優梨も同じくらい不安だったのかもしれない。言葉にしなくても分かっているからいいでしょうなんて事は無いんだよね。
やっぱり言葉にするってことは大切なんだ。
「優梨が好きだよ」
私は心から笑って優梨に伝えた。
「俺も、葵が大好き」
素直になった私にご褒美のような言葉。言って欲しいと思っているだけで自分から言ったことがなかった言葉は自分から言うと何倍にもなって返って来た。
キスをされ「好き」と言われると私もキスをして「好き」と言う。
ほっぺにキスをされ「好き」と言われると私も優梨のほっぺにキスをし「好き」と言う。
まるで学生のようなじゃれ合いも、今の私達にとっては大きな一歩だ。
体を重ね合わせていても好きの一言が出たことがなかった。
それが何度も何度も言い合っている。
言葉にすればするほど思いは大きくなり、驚くほどに優梨への気持ちが溢れ出していく。
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