【コミカライズ原作】激婚〜激カワ男子に婚姻届提出されました〜

Ep.13

　戦いだと思っていたのに、それは私対優梨一家の戦いではなかった。

「私は二人の結婚を多めに見ようと言ってるんだ」

「だからそれは困ります。うちにこんな一般人の嫁が来るなんて」

　お父さん対お母さん。険悪ムードは私達に向けられたものではなく、二人の意見が今の今まで一致しなかったことに起因していたらしい。

「何度も言っているが、葵さんがいるから優梨が会社に興味を持っているんだ。成果だって出している。葵さんがいなければ優梨はここまで本気にならなかったんだ。だからお前は黙ってなさい」

「黙ってろと言われても、これだけは許せません」

　二人のいい争いは終わらない。

　私はこっそり優梨にお母さんのことを聞いた。元々は大切な取引先のお嬢さんでお父さんとは政略結婚だったらしい。二人が結婚すると会社は倍々ゲームのように成長したらしい。

「何二人でコソコソ話しているの？　優梨は洗脳がまだ溶けてないようね。私は二人の結婚に反対よ。ですので、優梨のお嫁さん候補を探してまいりました」

「勝手に何をやっているんだ」

　お父さんは驚いた表情で怒鳴っている。