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「お稽古ごとのスケジュールは追ってご連絡致します」
「え? 習わせていただけるのですか?」
「どこでどんな噂が立つか分かりませんからね。こちらで講師を手配いたします」
なんだかんだ優梨のお母さんは優しいのかもしれない。本当に私を認めないのなら突き放すこともできただろう。でも理由は何であれ、講師を手配してくれるらしい。
……と思っていた私は甘かった。
優梨のお母さんから届いたスケジュールは休日朝から晩までお稽古事でぎっしりだった。
私、働いているんですが……。
「葵、本当に大丈夫? やらなくていいよ」
一度やると言った以上はやり通さなければ沢木葵の名が廃る。
「大丈夫。でもごめん。先に言っとくね。私相当機嫌悪くなる日もあると思う」
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