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「うちはいいですよ。気が済むまで葵を試してやってください」
母は面倒な事を言いだした。せっかくまとまっているんだから、そんなことを言わなくてもいいじゃないか。
「何度も言ってるけど俺は葵と別れるつもりはない。これからも毎週末葵に大変な思いさせるなら俺は本当に葵と駆け落ちする」
優梨はそう言った。もう夫婦なのに駆け落ちとは面白い。
「分かったわよ。週1回にするわ。葵さんは覚えるのも早いからそれで大丈夫よ」
むすっとした顔でお母さんは言った。
勉強ができることがこんなところで役立つとは思いもしなかった。
「月1回」
優梨が言った。
「月3回」
お母さんは抵抗する。
「月2回」
「分かったわよ。月2回。これ以上は減らしません」
優梨とお母さんの攻防戦は月2回で決着した。月たったの2回で習得するのは学ぶ側が大変だが、優梨との時間は増える。私はそれから必死で頑張った。
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