Ep.13

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 月日は過ぎ、優梨は会社で大きな成果を出していた。あんなに自由になりたがっていた優梨が楽しそうに仕事の話をしている。本当に優梨には多くの可能性があったのだ。私は心から嬉しく思う。  そして私も半年を待たずして優梨のお母さんに認めてもらう事が出来た。月2回だったお稽古事は結局私のお願いで増やしてもらい、乗馬も社交ダンスも嫌がる優梨をデートだと言って誘った。  最初は嫌がっていたが、社交ダンスの相手が男性だと知るとすぐに腰を上げた。乗馬も先生が男性だと知るとついて来てくれるようになった。どちらもお母さんの影響で一度は習っていたようだが、すぐに辞めたため、優梨はとても下手だった。でも私と習う事で何かに火が付いたのかすぐに私を追い越して上達した。  そして、元々仲の良かった優梨とお母さんは関係を取り戻し、私もお母さんと少しずつ打ち解けることができた。 「これならどこに出しても恥ずかしくないわ」  茶道で優梨一家にお茶をたて振舞った後、お母さんはそう言った。 「お母さんの教えが上手だったからです」
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