3607人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんな栄誉ある賞を頂けるなんて身に余る光栄です。なんでこんな未熟な俺がなんて思っている人も大勢いるでしょう。理由は簡単です。俺の旧姓は花園優梨。そう、この花園ホールディングスの社長の息子だからです」
いきなり何を言いだしているんだ。本当に優梨の心が読めない。
「権力って偉大ですよね。実力なくても上からの一言でのし上がる事だってできるんです。でもそれっておかしいと思いませんか? 俺、実はこの会社を潰してもいいと思いながら入社しました。この会社には人の成果を自分の成果にして、実力もなく奥さんの家の力で昇進し、自分が悪い事をしているのにその責任を人になすりつけてのうのうと働いている人がいて、しかも会社は見て見ぬふりとか聞いたから、そんな腐った会社は必要ないかなってね。でも皆さんと働いているうちにそんな人ばかりじゃないと分かって安心しました」
これって……
最初のコメントを投稿しよう!