エピローグ

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 優梨がそう言うとアロハシャツを着た女性が私を案内すると言った。優梨に笑顔で手を振られるが、どこに連れていかれるか分からず不安で一杯だ。何度も振り返りながら笑顔で手を振る優梨を見つつ、女性について行くと、母がトロピカルジュースを飲みながら手を振ってきた。 「なんでいるの?」 「だって、一人じゃ寂しいだろうから」 「仕事は?」 「休んだわよ。昨日来たんだけど、本当にここは楽園ね」  それは花園家のお金で来て、高級ホテルに泊まり、こんな贅沢な時間を過ごしているからだろうと思ってしまう。 「葵さん、いらっしゃい」  後ろから声がして振り返ると優梨のお母さんがいた。  これは一体なんの集まりだろうか。 「それじゃあ、行きましょう」  二人について行き移動すると私達の為だけに開かれているのであろう扉をくぐった。  入口にはブライダルエステの文字が書かれていた。  何故二人まで受けているのかは聞かないでおこう。
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