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「そうですか? 大学を卒業してから、親としてはヒヤヒヤさせられっぱなしですよ」
私そっちのけで親談義が始まった。きっと昨日からこんな調子なのだろう。私を挟んで両側から言葉が飛び交っていた。
エステ後、私はドレスを試着した。
特注ドレスはAラインで上半身には綺麗なレースで花柄があしらわれ、二の腕が気になる私の為にオフショルダータイプのものになっていた。
「優梨のデザインよ。どうかしら」
「優梨が、ですか?」
「そう。あなたの為にデザインしたんですって。それにしても1ヶ月で仕上げさせるなんて本当にあの子は何も知らないんですから。普通、半年はかかりますよ」
半年かかるものを1ヶ月で作り上げるなんて一体いくらかかったのだろうか。恐ろしくて何も聞けない。
優梨が私の為に考えてくれたウエディングドレス、嬉しい。今すぐにでも優梨に見せたい。でも優梨のイメージと違ったらどうしよう。
「気に入らなかったかしら? 私は似合ってると思うわよ」
「気に入りました。凄く嬉しいです。ただ、優梨のイメージと違ったらどうしようかと不安で」
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