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本当に優梨は愛されて育っていた。優醍君もお兄ちゃんが大好きらしいが私と同じで感情を表すのは苦手なようだ。ちょっとつんけんしている。でも愛情は凄く伝わってくる。
夕食後は解散し、私は優梨とビーチに来ていた。
「なんかごめんね。俺の話ばっかりで」
「いいよ。こんなに愛されている人と結婚できるって幸せだなって思ってた」
「本当?」
「うん」
優梨は周りの目も気にせず私を抱きしめてきた。
「ちょっと、まだ人いるし、恥ずかしいよ」
「人がいなかったらいいの?」
「そういうわけじゃないけど。部屋とかでなら」
「あ~残念。今日は部屋が別だからな」
今日は母と同じ部屋だ。母は明日結婚式の後に帰るので今日は親子水入らずでという事らしい。
私達は明後日までの滞在だ。ハネムーンはまた別らしい。
「ふ~」
優梨が深い息をしている。どうしたのかと思っていると、急に砂浜にひざまずいた。
「沢木葵さん、凄く遅くなっちゃったけど、俺と一生を共にしてください。俺に葵を幸せにさせてください」
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